メロン台風……おまえはメロンの食べごろを知っているのか?

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ある日、メロンが届いた。

メロン - Wikipedia

北アフリカや中近東地方の原産地と推定されたが、最近の遺伝子研究によれば、インドが原産地と裏付けられた。紀元前2000年頃に栽培が始まった。通常Cucumis melo L.の西方に伝わった品種群をメロンと呼び、東方に伝わった品種群を瓜(ウリ)と呼ぶ。日本のマクワウリなどもそのひとつである。漢字では甜瓜(てんか)と呼ぶが、これはメロンを指すと同時にマクワウリをも含む表記である。

メロンは、インド原産。あるメロンは西へ、あるメロンは東へ向かった。シルクロードを転がり、ボスポラス海峡をプカプカ渡るメロンの始祖を思い浮かべよ。朝鮮半島の山川を転がり、日本海の荒波を渡るメロンの始祖を思い浮かべよ。

紀元前5世紀頃にエジプトで作られた苦味の少ないメロンが地中海を超えてヨーロッパに渡った。当時のメロンはキュウリよりは甘いという程度であり、サラダや酢漬けにされた。その後、甘いメロンが作られるまで数世紀に及ぶ改良の努力が行われた。ルネサンスの頃に南フランスでカンタルー種のような甘い品種が作られるようになり、メロンは野菜の仲間ではなくなっていった。

なぜかわからぬが「これは甘くなるのではないか」と思った古い人類を思い浮かべよ。いま、われわれはキュウリを甘い果実に変えようと思うだろうか? そして、野菜とたもとを分かったメロンの先祖の苦い思いを受け止められるか?

日本では中世の考古遺跡から炭化種子が検出されており、古い時代に渡来して雑草化したものは「雑草メロン」(Cucumis melo L. var. agrestis Naud.)と呼ばれ、西日本の島嶼部などに自生している。

同属の有用植物としてキュウリ(胡瓜、C. sativus L.)がある。

メロンは園芸分野では果菜(実を食用とする野菜)とされるが、青果市場での取り扱いや、栄養学上の分類では果物あるいは果実と分類される。

だれか、「雑草メロン」を食べたものはいないのか? いや、いるんじゃないのか? デイリーポータルZあたりに?

portal.nifty.com

……本当に予想通りの検索結果が出てきたときの無念がわかるか? 初島か。おれは8月に初島に仕事で行く機会があったのだが、暑いのが嫌なので「暇そうにしているおれの弟にでも行かせたらどうだ?」と提案して、難を逃れた。弟は熱中症で倒れたらしい。知った話か。

それにしてもなんだ、「雑草メロン」のなかにも甘みを感じさせるものがあって、やはりわれらが人間の先祖、「これ、甘くなるんじゃね?」と品種改良させていったのも理解できるといったところだろうか。ところで、おれはきちんと学名を斜体にして引用しているのをだれか気づいてくれているだろうか。

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して、お贈りいただいたのは「アサヒメロン」。苫小牧、北海道、これが美味でないはずがない……。

が、十分に熟していないのに食べては惜しい。そこで、おれは以下の動画を参考にした。


メロン食べ頃の見極め方・見分け方.flv

まあ、べつにこの動画以外も見たのだが、頭にメロンを被っている人間の言うことはおおよそ正しいのだ。ともかく、いろいろの知見を集めたところ、「T字のつるが萎れてきたら食べごろ」、「底の部分が柔らかくなってきたら食べごろ」、「香りが出てきたら食べごろ」らしい。おれは狭いデスクの上にメロンを鎮座させて、そのときを待った。鎮座メロン。

して、T字のつるが萎れてきた。会社にいる植物全般にたいへん詳しい人(おそらく日本の上位……何十人、少なくとも何百人にか入るのではないか)曰く、T字のへたのついたメロンは高級らしい。ますます食いどきを逃すわけにはいかなくなった。

メロン | 農産物百科 | 食と農 | JA遠州中央

●メロンのアンテナ?
「竜頭(りゅうず)」ともいわれるメロンのヘタの部分を、アンテナと呼びます。このアンテナがT字型になっているのは、静岡のメロンが1株から1果とれた証拠として、側枝を残したのが始まりです。アンテナの左右の太さが均等で、果実に対して水平になっているものが良いとされています。
アンテナはメロンの味には関係がありませんが、良いアンテナがついていることが高級感を与えるため、 アンテナの有無や良し悪しで、1玉あたりの価格が違ってきます。

おれは毎日、アンテナを凝視し、たまにひっくり返して底を押した。香りをかいだ。まだだ、まだか? 腐らせてしまっては元も子も馬場元子もない。そうして、土日が来てしまった。「土日、机の上に出しっぱなしにして腐ってしまったらどうしよう?」。そう思ったおれは、「金曜の帰り際にメロンを冷蔵庫に投入!」という決断をした。そして、月曜日に食べるのだ、と。

と、月曜日はなんか職場がごちゃごちゃして来客などもあり、食べる機会がありませんでしたと。

そして、今日、今日である。今日、食べた。

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提供者である、おれだけ二切れ。あ、職場の皆で食べたのです。おれひとりアパートに持ち帰り、おれひとり食ってもよかったのですが、ひとりひと玉というのはあまりに大きい。糖分も気になるお年頃、まあたまにはこうやって大盤振る舞いもいいじゃないですか(おれは一銭も出してない、ひとさまからの贈り物だけどな!)。 

で、船橋様四日メロン美味しゆうございました。

ほんとうに日常、メロンどころか果物と無縁で生きている人間にはもったいないものでございました。メロン、いいねえ。たまにはメロン、人生、たまには、メロン、メロンソーダでない、メロン、雑草メロンでない、メロン、今井メロではなく甘いメロン、人間、たまにはこういうものよの。メロンの旬がいまちわからぬが、あなたもメロンを食べてみるべきだ。あるいは、初島へ行くがいいさ。

 

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