ル……ニール・アームストロングの伝記映画。おれはアームストロング船長の人となりというものをまったく知らなかったのだが、Wikipediaで読んでもわかるように実に普通のエリートであって、娘を病気で亡くしているところもあって、ライアン・ゴズリング的な憂いを帯びていて、それでもまあ、いろいろあって月に行ったという。
という、映画。
って、なんというか、おれはアメリカ人ではないし、ルイとニールがごっちゃになるくらいしかアームストロング船長に興味もなく、というか、他国の時代劇にそれほど……という。いや、アメリカの時代劇いうたら西部劇だろ、『ワイルドバンチ』、『トゥルー・グリット』、『エル・トポ』おもしれえだろ……、え、『エル・トポ』? って話が逸れたか。まあ、そんな調子で、手元の携帯端末で「X-15ってどんな飛行機だろう?」とか気が散りっぱなしだった。だいたい、ライアン・ゴズリング的な憂いを帯びた伝記映画なのだから、急に宇宙船爆発でアームストロング船長死亡の急展開とか、撮影のロケハンにキューブリックのスッタフが先乗りしていたとか、月の裏にナチスの残党がいたとか、そういうホラもヨタもないのだ。あったら台無しだけどな。
つーかしかし、なんだっけ、今のアメリカ人の何割かは月面着陸を信じてないとかいう話あったっけ。まあ、よくやったもんだよな、というのはある。信じられん。いや、信じよう。そのためにも、こういう映画で語り継ぐことが大切かもしれない。けど、やっぱりそうなると、ライアン・ゴズリング的な憂いを帯びた話になってしまってけれん味がない。「アームストロング船長が実はLSD中毒でいっつもガンギマリだった」とか、そういう真相があるわけでもない。むしろそっちだったら面白かったかもしれない。そんなところ。