【お恵み】La pastis du Marseilleありがとうございます【午後の死】

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喉を焼くようなお酒お恵みいただきました。リカール、と呼べばいいのか、パスティスと呼べばいいのか、あるいは悲しみのアブサンの末裔なのか。

どのようにして飲むのか。瓶にはこう書いてある。

アニスの繊細さ、リコリス(甘草)の新鮮さ、
そして南仏プロヴァンスのハーブの絶妙なハーモニーを十分に
お楽しみいただくために、リカール1に対して冷水5を加えてから、
氷を入れてお召し上がりください。

ここでいうリコリスヒガンバナのことではない。スペインカンゾウのことだ。それはいい。おれはお前の言うことを聞かない。おれは基本的に酒を割らない。言葉で意味を割らないのと同じように。なので、ストレートで飲む45度。

が、Wikipediaを見ていたら、「パスティス」の項目から次の項目へのリンクがあった。パスティスを使用したカクテルだ。

午後の死 - Wikipedia

ヘミングウェイ考案。自身の短編の名を取って名づけたとされる。英語名そのままの「デス・イン・ジ・アフタヌーン」(Death in the Afternoon)とも、或いは「ヘミングウェイ・カクテル」とも呼ばれる。

ほほう、ヘミングウェイ

元々は、黒色火薬シャンパンで割ったものだったが、余りにも一般的でなかったため、後にアブサンを使用したものへと代わった。20世紀初頭、ヨーロッパの一部の国でアブサンが禁止になり、ペルノーで代用されるようになった。

こ、黒色火薬

で、現代の作り方は? あんまりめんどくさいとやらねえよ。

か、簡単。いや、マムズのシャンパンというのはよくわからなし、今回いただいたのはグリーンのペルノーではなく(販売元がペルノ・リカール・ジャパン株式会社だからようわからんよね)、濃いウイスキーのような色のリカールなのだけれど。それでも、コンビニで売ってる安シャンパンで割ってみる。悪い話じゃない。おれは基本的に酒を割らない。だが、酒で酒を割るのは悪い話じゃない。

「午後の死」というのだから、午後に飲むべきだろう。かといって、夜飲むのもちょっと変だ。夜だったら「夜の死」だろう。あえて、太陽の出ている午後に飲む。そうだ、ちょうどサラブレッドたちが緑のターフを駆けている時間帯がいい。アーモンドアイが、新しい勲章を手にするのか(馬に手はあるのか?)、あるいは……。おれは「午後の死」もどきでぐでんぐでんになりながら見届けてやるのさ。

 

追記:アンサイクロペディアにもうちょっと詳しい「午後の死」の項目があった。

ある時、ヘミングウェイがネタ切れに陥ってしまい、迫り来る締め切りに怯えるあまりもういっそ楽になってしまおうと黒色火薬[1]を口一杯に頬張り、火をつけて爆死を試みたものの吸湿性の高い黒色火薬は唾によって着火することなく、一命は取り留めたものの今度は硫黄と硝酸カリウムの臭気にむせ返ってしまい、七転八倒の末に戸棚の奥から見つけたマムズのシャンパンを流し込み、どうにか落ち着いた頃にはとっくに日は沈んでいたが、生と死の狭間、朦朧とした意識の中から一篇の詩が閃いた。これを膨らませたものが後に名高いヘミングウェイの短編小説『午後の死(デス・イン・ジ・アフタヌーン)』である。

 ソースがソースだけに、だが、おれはほとんどヘミングウェイを読んだことがない。読んでみようか。

 

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