働けないおれと、令和四年のお笑いウルトラクイズ

上島 だからこそ「お笑いウルトラクイズ」のロケ前日は逆に怖かったですね。出番が多いのはありがたいことなんですけど、爆破から何からすべて「ダチョウに最後のオチを決めさせるため」に番組が進むんですよ。スタジオ収録でも盛り上げてくれるし、それを絶対に裏切っちゃいけないと思って命懸けでした。

「お前は何を言ってるんだ」上島竜兵が忘れられない、志村けんに愚痴ったら“マジ説教”された夜 | 文春オンライン

 

昨日は朝から抑うつで伏せっていて、昼頃に少し携帯端末でニュースなどを見て、上島竜兵の訃報を知った。それとは関係なく、昼までしんどさが残っているし、今週のお題「サボりたいこと」、ちょうど仕事が手隙なこともあって、全休することにした。やらなければいけないことがあれば、午後二時にでも三時にでも出社するが。会社が近いのも良し悪しだ。

ともかく、そのまましばらくまた伏せっていたが、朝から水しか飲んでいなかったので、午後二時ごろにさすがに空腹に襲われて、それでも倦怠感があり、なおかつ腹が減って起き上がれず、さらに空腹になり……このままでは餓死? というところをなんとか乗り切ってカップラーメンを食べる。食べ終わっても腹が鳴る。しばらくしてカップメシも食う。

空腹については一息つけたが、抑うつ、倦怠感は収まらない。ボケーっとテレビを見る。ワイドショー。上島竜兵の話をしている。ガダルカナル・タカが出ている。タカが「お笑いウルトラクイズ」の昔話をする。背中に火薬を背負って、絶対に振り返らないでくださいと言われているのに、怖くて振り返ってしまい、髪の毛が燃えたとか話している。

おれの中で、空気は一変する。「お笑いウルトラクイズ」の圧倒的なバカバカしさが、なにもかもをひっくり返してしまう。ぜんぶぶち壊してしまう。そこには悲しみもなにもない、ただひたすら一面のバカバカしさが爆発している。

すごい、「お笑いウルトラクイズ」。おれはそう思った。「今はコンプライアンスが厳しいからテレビがつまらない……」どうのこうのではない。時代も価値観も変わっていく。今の時代に「お笑いウルトラクイズ」を復活させろとは言わない。ただ、一人の老人として、若い人たちに「おれはあれをリアルタイムで見ていたんだぜ、すげえだろ」と自慢したくなるだけだ。そこに上島竜兵がいた。それだけだ。

というわけで、おれの水曜日はそのようにして終わった。家でボケーっとしていた。仕事にも行かず、レトルト食品を食って、テレビを見ていた。いや、実際のところ新書を一冊読んだが、まあいいだろう。おれは仕事をしていなかった。

 

はい、そういうわけで、こちらに寄稿いたしました。

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ここだけの話ですが、軽く、軽く、お題のようなものを打診され、「おお、楽勝」と思ったら、これが書けなかった。理由は上の記事の中にあるとおり。はっきり言って、応えられたかどうかもわからない。それでも、ともかく、けっこう苦心したので読んでくださいな。

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で、あまり書いてはいないのですが、おれがおれ自身に「仕事できねえな」と思う一番のときは、精神疾患で伏せっているそのときなんですよ。もうこれは説明も不要だろうし、説明のしようもないし、どうしようもないので、まあ書けるような話もない。ともかく、身体が動かない。もちろん、会社にも行けない。行ったところで、ほとんど動けないか、動いたとしても最低速度の動きしかできない。

おれがいないほうがうまくいく、他人の足を引っ張っている、というのならば、不在もプラスだろうが、零細企業ともなると、おれも働かなくてはならない。たいした働きではないにせよ、なにかしなくてはならないし、なにかする。

が、それすらもできないのが、抑うつ、倦怠感の波だ。これが躁うつ病双極性障害)というものだ。もう、かなわん。

でも、もう、かなわんとわかっているだけ、まだましなのかもしれない。そしてワイドショーを見る。上島竜兵はどうだったのだろう。あまり想像できない。前日の深夜に出川哲朗のドライブを見て笑ったばかりだった。関係あるだろうか。よくわからない。どうにも、上島竜兵の、必死の涙目の顔が思い浮かぶ。成功者にも落とし穴はある。むろん、無能者にもある。この世は平等によくないようにできている。