なんかスポーツ新聞のウェブサイト見てたら、外国のファッションサイトみたいなのが表示されて、その中の一着が、「おお、これ、いかにもアメ公好みじゃねえか、悪くねえなあ」とか思ったけど、おれはたくさん半袖シャツを持っているし、金もねえし、買うことはねえかって思った、んだ。
んだけど、なんかそのシャツのことがすげえ頭に残って、「二千円もしねえし、買っとけばよかったかなぁ」とか思って、「ああ、やっぱり買っておけばよかったかな」とかなって、もう一回表示されねえかなとか思ってたら、表示されて……。
そんで、もうこれはそういう機会だって思って、シャツ注文したんよ。信頼できるサイトかどうか、よくわかんね。でも、なんかスポーツ新聞のサイトに表示されてんだから、詐欺サイトではねえだろ。まあ、もちろんサイト名で検索したりはしたんだけどさ。
で、おれがすっかりずっぽ抜けていたのは、今が新型コロナウイルスの時代であること。今、アメリカから輸入品入ってくんの? あれー?
つーか、いったん、注文して、また広告が表示されて、「あ、おれが注文したの、おれが欲しかったやつと微妙に違う。ええい、もう一着ほしかったやつ注文してやれ」とか、二回も注文して。
で、けっこうな時間が経って、来た。
フロム・チャイナ! 国際郵便で来た。すげえちっちゃくなってんの。おお、でも来たか。
そんでこんなんが圧縮して入ってた。
こんな色合いよ。はっきり言って、生地はペラペラだし、前と後ろで柄のラインがあってないし、ボタンもちゃちだし……。でも、色合いは「くっそアメリカンだな」って感じで、おれは気に入った。まあ、アメリカンじゃなくチャイニーズなんだけど。いや、アメリカンなデザインをメイド・イン・チャイナにして、直送してんのか? よくわかんねー。でも、服はとりあえず一着来た。二千円もしない。まあいいだろう。
あと、二着。そうだ、なんか割引とかで、最初の注文は二着申し込んだ。したら、「一つ品切れだから作ってから送るよー」みたいなメールが来て、「え、キャンセルとかじゃなくて、作るの?」って思ったけど、メイド・イン・チャイナから来るから、作るのかなって思った。
それにしても、おれの服の趣味は悪いな。でも、なんかアメリカンなの好きなんだ。古着のワークシャツ、企業や公務員用のやつとかたまらん。あとはハワイアンと花柄が好きだ。それによっておれは、寿町の街角で寝てるおっさんや、野毛の街で昼間っから酒飲んでるおっさんみたいな怪しさを手に入れることができている。年相応、都市相応というものだろう。あと二着、チャイナから届くのを待つとしようじゃないか。
以上。