Books&Appsさんと、カバンの中の紙切れと、打ち上げられたウミガメの死体のこと

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また、Books&Appsさんに寄稿いたしました。……書いたおれがいうのもなんだけれど、よくBooks&Appsさんはこんなよくわからない記事を載せてくれるよな。懐が深い。なんというか、正直、サイトの方向性と合っていないように思えてならない。それでも、なにか箸休め的な存在が必要であれば、書かせていただくだけだ。いや、なにを書いていいかわからないので、なんかお題あったら教えてください。マジで。

で、なんでバッグのなかにつぶれたポケット・ティッシュがたまるのだろうな? というか、「あれ」もだな。「あれ」は「これ」だ。

「ADHDのカバンにこれ入ってる率100%」があまりにも分かりすぎて辛い「入ってなかったことない」 - Togetter

tweetが消えてしまっているが、心配することはない。おれのカバンにも入っている。

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「これ」だ。

べつにおれはADHDではない。かといって「ADHDではない」と診断されたことがあるわけでもない。おれは双極性障害者だ。まあいい、なんの病名もつかないズボラなやつのカバンにはこれが入っている。おれのカバンには入ってる。

そんな少紙片を無自覚に集めてしまう性質の人間が、ポケット・ティッシュを必ず受け取るようにしていたらどうなるか、説明するまでもないだろう。とはいえ、おれは上の記事に書いたように、ポケット・ティッシュが配られたなら、受け取る。コロナの時代でも、なお。

ところで、上の記事に出てくる生物の教師の思い出を書く。学生時代のバイトでティッシュ配りをしていた教師だ。その教師は、いろいろの教科の教師の中で、最若手だった。まだ大学生で、それこそティッシュ配りのアルバイトをしていてもおかしくない風貌だった。だからといって、生徒たちから兄貴分として慕われていたかというと、「兄貴分」なんてものは存在しなような白けた世代ではあったのだが。

その彼にも見せ場があった。おれの通っていた中学・高校は逗子の海にすごく近く(別の社会主義者を自称する教師曰く「おまえら、地震があったらここはすぐに液状化する。めいめい勝手に披露山に向かって走れ」)、逗子の海岸を校庭のように使っていた。

ある日、その海岸にウミガメの死体が打ち上げられた。死んで打ち上げられたのか、打ち上げられて死んだのかしらないが。それはもう、ひどい臭いがした。中学生のおれには、それまで嗅いだことのない臭いだった。いや、中年になった今でも「打ち上げられたウミガメの死体の臭い」を嗅いだの一度だけだけれど。

で、そこで活躍したのが若い生物の教師だった。理科室にあったのかどうか、私物なのかわからないが、ウミガメの死体をさばいて、骨格標本にしたのだ。専門の骨格標本家のようにやったわけではないだろうが、ともかく皮や肉を剥いで(それらは砂浜に埋めて)、骨だけにしたのである。……「したのである」といっても、それを見た覚えはないような気がする。が、それが校長室に飾られたとかなんとか、そんな話もあったように思う。よくあの臭いに耐えてやったものだと思う。ともかく、その生物がおれに残したのは、ポケット・ティッシュの話とウミガメの解体、この二つである。

……いや、もう一つあったな。「一人暮らしはお金に困る。そんなときティッシュ・ペーパーを買うのはもったいない。トイレット・ペーパーのほうがコスパがいい」という教えだ。あ、ティッシュに絡んでるじゃん。上の記事に盛り込めばよかったかな。

でも、そうか? おれも一家離散からの一人暮らし、洗濯機なし(100円ショップで買った洗濯板を使っていたのだぜ)というような情況で生活したことあるが、そんなにティッシュ・ペーパー使わんだろ、という印象。むしろ、どん底の生活でもトイレット・ペーパーの質を落とさないことに気をつかった。敏感なところだからな。かの吉本隆明は、いかに自分の家族の生活が苦しくとも、食卓のレベルだけは落とさなかったというが、おれはトイレット・ペーパーの質を落とさなかった。テストに出るところなのでチェックしておけ。

と、なんの話だったか。

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大事な話なので二回リンクを貼ります。どうぞ、よろしゅう。