広島東洋カープの2020年を振り返る

今年の広島東洋カープは5位に終わった。6チームしかないのに5位である。悲惨なことになったといっていい。

 

悪かった点

  • 投壊。KJは完全に機能せず、大瀬良は故障し、三連覇を支えた中継ぎは落ち目になり、クローザーのスコットは一見打ちにくそうに見えても打たれた。どうしようもなかった。
  • 佐々岡監督の采配。これについては「編成が悪い」とかそういうこともできるだろうし、まだ一年目だ。だが、一回でランナーが出たら決まり決まって送りバントをするような当たり前すぎで、なおかつ結果が出てないことを繰り返した。べつにデータ野球からバントをするなとは言わないが、結果が出ていないのに繰り返すあたりに失望を覚えた。
  • 田中広輔が完全復活しなかった。当初は「今年はいける。これこそ最上の補強』とか思ったものだが、そうもならなかった。
  • 菊池涼介の打撃不振。最後ちょっと盛り返したが、やはり前半戦は波に乗れなかった。
  • 西川の故障離脱。もうこの言葉で済ませるほど、西川という存在は大きい。
  • メヒアの不振。いや、不振と言えるのだろうか。雰囲気に比べて、力不足なのではないか。
  • アドゥワ。どこ行った。
  • 走塁がよくない。走塁というか、チーム打率のわりに点が取れない。そして投手は崩壊している。
  • まあともかく、投手陣がひどかった。二点差、三点差でも安心できない。二点差、三点差ならひっくり返せるぞ! といういつかのカープではなかった。数字の上では打撃はよかったが、効率良い得点ができたかというと、どうもそんなところはない。悲惨である。

 

良かった点

  • 新人・森下暢仁君の大活躍。新人王を取れるかどうかわからないが、ルーキーイヤーにして防御率一点台。さすがの背番号18。森下君がいなかったどうなっていことか。
  • 堂林翔太の復活。いや、復活ではないな、覚醒か。序盤の神がかった活躍が最後まで続いたとは言い難いが、それでもかなりのところで踏みとどまった。プリンスがここにきて急にこうなるとは、予想できなかった。来シーズンからも活躍頼む。
  • 菊池の守備率10割。これは個人記録的なことでもあるが、やはりすげえということで。メジャー行き断念など難しいシーズンであったのかもしれないが、まだまだセカンドを支配してもらいたい。
  • 坂倉の活躍。石原(ベテラン)の引退により、ますます出番は増えることだろう。高いレベルで會澤らと競い合ってもらいたい。
  • 新顔の登場。大盛、宇草、林、正随、羽月らの名前が一軍で出てきた。とはいえ、登場というくらいであって、まだまだ新顔の活躍とは言えない。飛躍を期待したい。
  • 九里亜蓮のやや覚醒。バッティングも走塁も精一杯やるスタイルは、広島の良心のように思えた。一層の躍進でエースを目指しもらってもええんやで。
  • ケムナ、塹江、島内。がんばれ。

 

来季への期待

  • 河田雄祐コーチの復帰。おれは石井・河田イズムのようなものがあって三連覇があったと思っているので、これは朗報でしかない。だいたい、「このコーチのメンバーで在りし日のカープのオーダーが組めるかな」というコーチ陣で戦えるのか。まあ、河田コーチもカープの選手だったのだけれお。ともかく、外を知る血が必要だと思うのだ。
  • 鈴木誠也の残留。はっきり言って、大リーグでプレイするところを見たくないといえば嘘になるし、このコロナ禍でカープの収入も落ちることだろう。でも、まだ上を狙うのに鈴木誠也は必要なんだ。ブログを読む限り、残留っぽいよな。
  • 新顔の活躍への期待。これは「良かった点」で書いたとおり。むろん、ルーキーも今年の森下くんのようにガンガン活躍してもらって構わない。というか、してくれ。

……たくさん書き忘れているところもあるだろうが、こんなところだ。河田コーチ復帰。これは大きい。走塁をさらに進化させてほしい。安打数に見合った得点力を。あとは、もう、投手陣については手を合わせて願うしかないか。たぶん、鈴木誠也はメジャーへ行く。それまでに優勝、日本一。あまり時間は残されていない。

 

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