くるりニューアルバム『天才の愛』から「野球」の解説をする

 

くるりのニューアルバムが出た。アルバムなのでいろいろな曲が入っている。しかし、ちょっと歌詞を引用しただけでもJASRACから「消せ」という命令が来たことがあるので、全曲レビューや、この歌のこの部分がいい、といったことは書かない。ただ、「野球」という曲に出てくる野球選手の名字や愛称は歌詞に取り入れられたものであって、歌詞ではないだろう。

なので、「野球」について、その歌詞に使われている野球選手について書く。正しい漢字名を書くためにウィキペディアなどで確認はするが、あとはだいたいおれの個人的な印象に過ぎない。「くるりは好きだけど、野球はよく知らない」という人に向けて書く。

くるり 野球 歌詞 - 歌ネット

 

ギータ……柳田悠岐ソフトバンクの現役選手。広島出身のカープファン。前提として知っておいてほしいが、くるり岸田繁は大のカープファンである。して、柳田といえば、規格外、でたらめな野球選手であって、ちょっと人間離れしている。「晩年はカープでプレーしてくれるのではないか」という、「イチローは晩年、地元の中日でプレーしてくれるのではないか」というような無謀な夢を抱いているカープファンもいくらながら存在するかもしれない。

 

バース……阪神タイガースの神。日本野球の歴史に名を残す外国人選手。おれは阪神ファンではないのでわからないが、阪神に期待の新外国人が来るたびに「バースの再来」と言われる。バースが阪神で活躍したのはもう三十年以上前かと思うのだが。

 

おかわり……中村剛也。西武の現役選手。「おかわり君」の愛称で知られる。西武は太っちょ体型のホームランバッターをコレクションしているようである。

 

辰徳……原辰徳。読売の現役監督。おれの中学のころの担任が中学まで野球に打ち込んでいて、東海大相模のセレクションを受けに行ったが、原辰徳を見て「次元が違う」と諦めたという話をしていた。おれとしては、タイトルも取れないし、それでも巨人の四番ではあるのだな、という、あまりすごい選手という思いはない。ただ、監督実績を見るに、東海大相模の監督を務めた父親から受け継いだ、ずば抜けた野球脳はあるのではないか。

 

ゴジラ……松井秀喜。読売から大リーグへ渡った強打者。読売には松井を監督に、という思いもあるらしいが、どうも本人は乗り気ではないように見える。個人的には、メジャーに渡る直前のシーズンは、日本野球でも中距離砲にチェンジしたかな、と思った。黒田(後述)との名勝負もあり。なぜか東スポと仲がよく、AVの話などが載っていた。

 

ラミちゃん……アレックス・ラミレス。現役時代はヤクルト、巨人、横浜で活躍。ヤクルト時代はちょっと暗い感じかなと、ペタジーニとの対比で思っていたが、一発芸人のギャグを取り入れるなど明るいやつだった。横浜ベイスターズで監督。球団の方針といろいろあったかもしれないが、よくやったんじゃないかと思う。

 

……中畑清。元巨人。そして横浜の元監督。「絶好調」といえば中畑。

 

智徳……前田智徳。元広島東洋カープカープファンの神。イチローが尊敬する天才とも称された。走攻守すべてに優れた選手だったが、アキレス腱をやってしまい、打撃の天才ということに。「生涯で一番の当たりはファウルボール」、怪我をしたあと「今プレーしているのは双子の弟」などと、さまざまな名言? を残す。あまりの求道者っぷりに、榎本喜八のような晩年を過ごすかと思ったら、引退後はスイーツ好きおじさんとしてテレビで楽しそうに解説しているので一安心である。

 

落合……落合博満。説明不要の(という説明)大打者、三冠王。監督としてもたいへんな実績を残す。「オレ流」と言われる孤高の野球人でもある。ボウリングも上手い。ガンダムが好き。息子は声優の落合福嗣。デブ声に定評がある。また、どこのチームでもいいから落合監督を見てみたい。

 

秋山……おそらく秋山は秋山でも秋山幸二。西武黄金時代を支えた走攻守すべてに優れた名選手。メジャーでもやれたんじゃないかと思う。ライオンズからホークスに移り、その後ホークスの監督も務めた。走攻守という意味では日本野球史上でも最高級の選手の一人だったと思う。

 

稲葉……稲葉篤紀。ヤクルトから日本ハム。引退後は日本代表監督を務める。個人的には、すごく突出したものはないけれど、よく打つ選手という感じ。北海道日本ハムファイターズ時代は、打席に入るとファンがジャンプして応援したのでカメラが揺れた。

 

古田……古田敦也野村克也に育てられたグレートなキャッチャー。ヤクルトではプレイングマネージャーも務めた。日本野球史上、最高級の捕手の一人。また古田監督というのも見てみたい。

 

真中……真中満野村克也に育てられたグレートな選手の一人。ヤクルトの監督も務めた。

 

ダルビッシュ……ダルビッシュ有。日ハムからメジャーに渡った投手。見た目の美しさというものは、なにかもう古代から現代に至るまで、どこでも通用するような気がする。もちろん、ピッチングもえげつない。メジャーでもえげつない。ツイッターでよく発言している。

 

マー君……田中将大野村克也いわく「マー君、神の子、不思議な子」。楽天からメジャー、そしてまた楽天に戻ってきた。楽天最終年ではちょっと異常な成績を残した。メジャーでもまだまだやれるところで、2021年に楽天に戻ってきた。また異常な成績を残せるかどうか。ちなみに競馬ファンであって、東スポでG1予想をしていたこともある。引退後は馬主にでもなればいいと思う。

 

黒田……黒田博樹カープ暗黒時代のエースであり、メジャーに渡って活躍した大投手。個人的には、熱投で長いイニングを投げきるタイプの黒田がメジャーにフィットするかどうか疑問だったが、見事にフィットした。最後はカープに帰ってきてくれた。涙。引退後は新井貴浩引退の新聞広告を個人で出すなどしている。もう悠々自適に暮らしてもいいのだろうが、カープのユニフォームを監督、コーチとして再び、と望むファンは少なくない。新井監督、黒田ヘッドコーチとか。

 

松坂……松坂大輔。言わずとしれた「平成の怪物」。現役投手。西武ライオンズからメジャー、ソフトバンク、中日。現役晩年の今になって成績低調からちょっと悪く見られているが、松坂が高校時代からどれだけすごかったのかというのは見直されていいはず。メジャーで18勝3敗なんてシーズンがあるんだぜ。いや、ともかく日本のエースだった。松坂は日本のエース、西口文也が西武のエース、とはおれの言葉。

 

大魔神……佐々木主浩。えげつないフォークで日本とアメリカを席巻した。引退後は馬主として強運を発揮している。大魔神にあやかって「ヒゲ魔神」とか言われる投手なども出てきたが、大魔神を凌駕するものはいまのところいない。

 

伊良部……伊良部秀輝。ロッテからメジャー。日本最速級の速球を誇った。晩年は残念なことになったが、豪速球を記憶しておきたい。

 

野茂さん……野茂英雄。日本人のアメリカ進出の道を切り開いた。トルネード投法という特殊なピッチングフォームで日本でもアメリカでもでたらめな活躍をした。フォークもよく落ちた。引退後はクラブチームを作るなど、野球に携わっている。

 

今日もカープは勝ち勝ち……カープの応援歌の一つである。「宮島さん」と呼ばれるチャントである。今日もカープは勝つのである。ここからは、しばらくカープの選手の名前が続く。

 

緒方……緒方孝市。今現在は不穏当な表現かもしれないが、カープの「核弾頭」であった。巧打、長打、走力を兼ね備えた選手だった。トリプルスリーも夢ではなかった。おれには緒方が衰えるという想像がなかったから、引退したときはへんな驚きがあった。カープ監督としてリーグ三連覇。

 

……會澤翼カープの現役キャッチャー。正捕手。どこか前田智徳に似た面影がある。ただし右打者。打力のあるキャッチャー。チャンスにも強いイメージ。若手捕手がどんどん出てきているなかにあって、まだまだ譲らないというところを見せてほしい。

 

誠也……鈴木誠也。緒方監督から「神ってる」と言われたカープの主軸打者。年々体のボリュームが増している。打力だけでなく、肩も強いし、脚も早い。メジャーに行くのではないかとも言われている。おちゃらけた面がある一方、打撃については相当にシビア。侍ジャパン(日本代表)の四番と言われることも多いが、ここのところカープでは三番。おれは鈴木誠也三番論者である。誠也が求道者の顔からおちゃらけて他人のヒーローインタビューに氷水をぶっかけていくようになったときこそ、カープ好調の証である。

 

石原……石原慶幸、だと思う。ちょっと自信がないのは、入れ替わるように石原貴規というキャッチャーが入ってきたからだ。でも、やっぱり石原は「一握の砂」の石原の方であろう。インチキの石原の方であろう。

 

エルドレッド……広島を愛し、広島に愛された男。気は優しくて力持ち。その巨漢っぷりから、アメリカ時代につけられた愛称は「カントリー」。スケールが違う。くるりエルドレッドの応援歌を曲に取り込んだりしている。現在は駐米スカウト。さっそく送り込んできたクロンという打者は、まるでエルドレッドのよう。

goldhead.hatenablog.com

 

松山……松山竜平。丸っこい顔や体型から、その打撃を「アンパンチ」などと言われたりする。ガンガンホームランを打つわけでもなく、脚が早くて二塁、三塁を陥れるわけでもなく、守備がうまいわけでもない。けれど、打率は残すし、チャンスに強いような気がするという理由で起用されたりする。個人的には、松山レフトなどという守備は見たくない。見事な一打もあれば、守備などで非難も浴びる選手。

 

長野……「ながの」ではなく「ちょうの」。長野久義。読売の顔のような選手であったが、丸佳浩フリーエージェント移籍に伴うプロテクト外れ(このあたりは非野球ファンに説明するのはむずかしい)によってカープに来た。なにせ長野である。長野がカープに? という驚きはすごかった。その長野、ベテランとしてチームに馴染み、引っ張ろうとする意欲も見え、「赤チョーノ」としてファンに愛される存在となっている。読売戦では読売のファンも盛り上がる。

 

ワンちゃん……王貞治ナボナがお菓子のホームラン王なら、王貞治は世界のホームラン王である。説明不要、という存在。知らない人も「説明不要なんだな」と思ってくれていればいい。

 

チョーさん……長嶋茂雄。これも偉大なる説明不要であって、「説明不要なんだな」と思ってくれればいい。ただ、数々の偉大な、あるいは珍妙なエピソードは別として、数字も相当なものを残してることを忘れてはいけない。息子に長嶋一茂

 

ノムさん……野村克也。日本プロ野球史に残る名捕手にして名監督。いったい、どれだけの野村門下生が野球指導者として活躍しているのであろうか。プロ入り二年目だったか、クビを言い渡されたとき、「壁でもいいので」といってプロに残ったことの奇跡よ。そして、現役引退後に焼いてしまったという「野村ノート」は、華陀の本くらいの損失であったろう。月見草といいつつ、ファンサービスも忘れず、まさしく「ありがとう」の存在である。

 

金村……金村義明だろう。金村の語るプロ野球おもしろ話は仔細に記憶しておくべきであろう。たとえ話が盛られていたとしても。

 

親分……大沢啓二だろうか。おれの祖母はよく大沢啓二のアマチュア時代の話をしていたと思う。

 

番長……考えられるのは清原和博三浦大輔だが、「かっ飛ばせよ」と続いているので清原だろう。無冠の帝王、引退後の不祥事。とはいえ、おれが好きなエピソードは、黄金時代の西武で鍛えられただけあって、当時の巨人の中ではファーストの守備が一番であったということである。

 

アニキ……金本知憲だろう。広島から阪神。細い身体がだんだんとたくましくなって、鉄人的になった。緒方と同じく、金本も衰えるのかと思った記憶はある。ただ、カープファンとしてやや好ましくないところはある。

 

オマリー……阪神の助っ人である。六甲おろしのCDを出したような気もする。ヤクルトでも活躍した。

 

ハリー……張本勲。なんかの番組で「喝!」と言って、多方面からヘイトを買っているおじいさん。でも、張本は三千本安打を記録しているのである。三千本も安打を打った人間は人類でも数人だと思うので、張本は何を言ってもいいのである。なんなら懲役刑にならないくらいのことなら、なんでもしていいというくらいである。それが老害的暴言を言い放つくらいなんだというのだ。三千本も安打を打った人間というのはそういうものである。

 

江夏……江夏豊。日本プロ野球においてストッパーという地位を築いた名投手。また、「江夏の21球」でも知られよう。引退後の不祥事によって指導者になれなかったのは、日本プロ野球にとって損失。ちなみに顔は怖い。伊集院光が「江サマー」と呼んでいた。

 

金田……金田正一。四百勝投手である。張本勲と同じく、それだけ勝ったピッチャーは人類でもほとんどいないので、何を言っても許されるのである。「わしの現役時代のストレートは180km/hやった」と言っても、そうかもしれない、と思うべきなのである。監督時代のカネやんダンスや、乱闘でのキックも称えるべきなのである。

 

兆治……村田兆治マサカリ投法という独特のフォームでたいへんな活躍をした大投手。引退後もなぜか身体を鍛え続け、ちょっとすごいフォークを投げ続けた。えらい人である。

 

菅野……菅野智之。読売の現役投手。伯父に原辰徳。読売に入るために日ハムの指名を蹴って一年浪人。その後、えげつない活躍をしてメジャーへ、という流れになったが、コロナなどの影響もあってお流れになった。なんか腰をひねるフォームになって、今年も読売のエースだ。

 

球児……藤川球児阪神の名クローザー。わかっていても打てないという火の玉ストレートを武器とした。メジャーにも挑戦。

 

上原……上原浩治。巨人からメジャー。経歴から雑草魂とも言われる。ちょっと年齢がいってからのメジャー挑戦も成功した。おれのようなアンチ巨人人間からも好かれるところがある。

 

ぺーさん……北別府学。往年の広島カープの大エース。名球会入り名選手。おれの子供のころのエースといえば北別府であり、ファミスタの表記は「きたへふ」であった。精密機械のようなコントロールを誇った。近年ではブログの記事がスポーツ紙のこたつ記事になっていることが多いが、スポーツ紙は北別府にお中元やお歳暮くらい贈っているのだろうか。

 

梨田……梨田昌孝近鉄の捕手。こんにゃく打法の使い手。引退後はいろいろの球団で監督をつとめる。NHKの野球解説などもしているので、ジェントルマンなのであろう。

 

戸柱……戸柱恭孝。横浜DeNaベイスターズの現役捕手。はっきり言ってしまえば、なぜこの面子に入っているのかよくわからない。岸田繁の好みの選手なのだろうか。あるいは、音楽的に「とばしら」という響きがよかったのかもしれない。

 

屋敷……屋鋪要。かつての横浜大洋ホエールズの「スーパーカートリオ」の一人。口ひげをはやしていた。スーパーカーなので脚が速い。

 

赤星……赤星憲広。元阪神のスピードスター。脚が速い。

 

赤松……赤松真人。俊足にして名外野手。阪神から新井の人的補償カープに来た。フェンスを駆け上がってホームランを阻止したことは、アメリカでも「ニンジャ」と報道された。癌を発症するが現役続行。一軍には戻れなかった。

 

福本……福本豊世界の盗塁王。とにかく脚が速い。国民栄誉賞を「そんなんもらったら立ちションベンもできなくなる」と断ったとかなんとか。

 

ICHIRO……イチロー。説明不要。

 

ムネリン……川崎宗則。元ホークス。俊足巧打。憧れの人はイチロー。背番号はイチローの51にちなんで52。メジャーでもユニークなキャラクターが愛される。その後、なにか心身に不調があったが、回復した模様。台湾、独立リーグへ。

 

稀哲……森本稀哲。元北海道日本ハムファイターズ。読み方は「ひちょり」。脱毛症によりスキンヘッド。オールスターゲームでは『ドラゴンボール』のピッコロのコスプレなどをする。守備力が高かった。横浜、西武に移籍したのち、引退。

 

翔平……大谷翔平。元北海道日本ハムファイターズ。のちにメジャー。いわゆる「二刀流」として最近もニュースにならない日はない、というほど。それも当たり前で、160km/hの球を投げ、160km/hの球をホームランにする。これだけ漫画じみた選手はちょっとありえない。でも、ありえているからニュースになる。えげつない直球、変化有。メジャーリーガーにもまったく引けを取らないパワーバッティング。怪我だけには気をつけてほしい。

 

SHINJO……新庄剛志。元阪神、メジャー、北海道日本ハムファイターズ。数々のパフォーマンスや迷言でファンを楽しませる。阪神時代のユニフォームは「SHINJYO」だったか。身体能力にすぐれ、「どのリーグでも.240は打つ」と評価される。50歳近くになって日本プロ野球復帰を目指して合同トライアウトを受け、ヒットを放つ。結局お呼びはかからなかったが、.240くらいは打ったんじゃないかと個人的には思う。東スポ記事によれば、スカウトなどにも興味を持っており、また日本プロ野球に帰ってくることがあるのかもしれない。

 

……はぁ、疲れた。なんで出ていないの、という選手もいるが、それは岸田繁の趣味であり、歌詞の構成であろう(たとえば新井貴浩菊池涼介がいてもいいはずだ)。

くるり『天才の愛』については、まだ聴き込んでいない。ジャケットなどの坂口恭平の絵は、どこかエドワード・ホッパーのようで好もしい。はやくライブで「野球」を聴きたい。以上。