2021年 NHKマイルカップ回顧 ― 強い○外いたほうが競馬は面白い

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ドイツ生産馬のシュネルマイスターが勝利した。なんと○外(まるがい、と読みます)の勝利は20年ぶりだという。「○外ダービー」なんて呼ばれていたのにな。タイキフォーチュンのタイムなんかもすごくて、清水成駿はその後も重い印を打ち続け、おれはそれに乗って負け続けた覚えもある。

まあいい、レースはバスラットレオン衝撃の出たとこ落馬で始まった。レースのペースを握るかもしれず、あるいは、勝ってもぜんぜん不思議でない馬だ。あの一瞬でいったい幾らの賭け金が虚空に吸い込まれたことか。

おれの本命はバスラットレオンではなかった。同じ矢作厩舎のホウオウアマゾンである。なぜかわからないが、アーリントンカップの勝ち方が強く印象に残っていたのだ。負けた朝日杯もちょっと怪我をしたというし、デイリー杯ではそれなりに早いタイムに対応している。鞍上は武豊で、うまく乗ってくれるんじゃないのか、と思った。まあ、それほど思い入れのある本命ではなかった。

レースはバスラットレオン抜きでもよどみなく、という速いペースで進んだ。ホウオウアマゾンも……あ、テイエムギフテッド三着か惜しい! 佐賀スプリングカップのリアルタイム実況でした。で、ホウオウアマゾン、先行勢に加わって……。やっぱり速かったかね。

レースは同じ勝負服の三頭による争い。ソングラインが抜け出すところを、そとからシュネルマイスターが追い詰める。ソングラインが残ったかと思ったら、シュネルマイスターが差し切っていた。ルメールには「見たか、田原成貴!」と叫んでほしかった(天皇賞の予想でルメール駄目論を打っていた)。

しかしまあなんだな、くるりのファンとしてはソングラインから買っていてもよかったかなと。あ、アルバムタイトルなので。でも、前走の不利が若い牝馬にとって精神的なダメージがあったんじゃないかなんて思ったりして、馬連はおさえたけど本命にはできんかった。

で、テレビでも言っていたけれど、シュネルマイスターに早くも種牡馬として……という話。日本競馬はいま、大きくはサンデーサイレンス、細かくはディープインパクトキングカメハメハだらけになっているから、父系ダンチヒ、母父の方にサドラーズウェルズ、そしてドイツ母系、そんな馬は貴重になるかもしれない。実績も高速決着の府中マイルを制しているのは大きい。シアンモア記念、ヒガシウィルウィンがエンパイアペガサスとチャイヤプーンとの叩き合いを制して勝利。ヒガシウィルウィンとチャイヤプーンの折返しから三連単総流しとか買っていたけど、こう人気サイドで決まったらしょうがない。

思えば、おれが競馬をはじめたころは○外強かったよな。おれは内国産の血が駆逐されそうで、あまり快く思っていなかったけれど、世界の血が入ってくるというところでは大きな意義があったのかもしれない。サンデーサイレンスのおかげもあって、今では希少ですらある○外。クラシック・ディスタンスを走るようなのもどっかから連れてきてもらいたいな。競馬は多様性があったほうがいい。……なんて、ほんとうに○外全盛時代には言えなかったたな。父内国産馬なんてのは、ほそぼそとカブトヤマ記念を走ってたんだから(言い過ぎ)。

馬券はNHKマイルカップはパーだったけど、新潟の平場で三連単万馬券新潟大賞典も三連複ひっかけてちょっとプラス。悪くない。……とかいいつつ地方で延長戦をやっていて負ける方向。以上。