訃報・さいとう・たかを・と・ゴルゴ13

 

『ゴルゴ13』さいとう・たかをさん、すい臓がんのため死去 84歳 本人の遺志を継ぎ連載は継続へ | ORICON NEWS

 『ゴルゴ13』などの作品で知られる漫画家さいとう・たかをさんが、すい臓がんのため24日午前10時42分に亡くなった。84歳。なお、さいとうさんの生前の遺志により、『ゴルゴ13』は今後も、さいとう・プロダクションや脚本スタッフなどが協力し連載を継続することも発表された。

ゴルゴ13』とおれ。おれと『ゴルゴ13』。

16年前に書いていたので、自分の日記から引用する。

映画『ゴルゴ13』/私とゴルゴ - 関内関外日記

 俺はゴルゴにはちょっとうるさい。あくまで「ちょっと」なのだけれど、「やっぱり周りの人物がある程度固定されてた頃がよかったな。『ヒューム卿最後の事件』あたりまでだよ」とか、「やっぱり一番好きなのは『最後の間諜―虫(インセクト)―』かな」くらいのことは言える。なにせ、二年前あたりまでに出た単行本百冊以上を、全て読んでいるからだ。

そんなおれも、「ちょっと」とすら言えなくなった。もうゴルゴは200巻をこえている。今のゴルゴがどうなっているのかまるで知らない。たぶん、かわらずゴルゴなのだろう。昔のゴルゴ、今のゴルゴ、未来のゴルゴ。

さいとう・たかをの遺志によって、ゴルゴには未来がある。おそらくこれから何世紀にも渡って、思い出したようにゴルゴの正体説話が繰り返されるのだろうし(いや、このごろ繰り返されているのかしらないのだけれど)、ゴルゴは改良されたM16を撃ちつづけるのだろう。

未来のゴルゴ。ゴルゴは宇宙空間で狙撃をしたこともあるが、そんなのは当たり前になる。舞台はスペースコロニーになるかもしれない。M16からはビームが出る。銀河系の要宇宙人を狙撃することもあるだろう。とはいえ、それはSFではない。そんな未来がある。それはよろこばしいことではないか。ひょっとしたら、ゴルゴを描くスタッフも外宇宙出身になるかもしれない。悪くない。それでも、作中の依頼主は、トラクターを注文するのだ。描き手も読み手も、トラクターというものがなにかを知らずに。

 

ゴルゴ13 アイマスク Ver. 2.0