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漫画家 藤子不二雄Aさん死去 88歳 | NHK | 訃報

藤子不二雄Aさんは、7日午前8時40分ごろ、川崎市の自宅で亡くなっているのが見つかったということです。

藤子不二雄のFはファンタジー、Aはアナーキー。その表現を見たのはどこだったか忘れたが、言い得て妙とも思える。だがしかし、そのFとAは切り離せるものではなく、FにはAの要素があり、AにはFの要素があり、その究極体として藤子不二雄という存在があったように思う。奇跡の組み合わせ。ビートルズみたい。

というわけで、藤子不二雄Aさんの訃報。おれのあたまに思い浮かんだのは表題のとおりである。友達と、あるいは弟とふざけて言ったのかわからないが、他愛のない言葉遊びだ。全国の少年少女が同じ言葉を口にしていたんじゃないのかな。たぶん。

それにしても藤子不二雄A氏である。『ギミア・ぶれいく』だよな、という印象である。子供にとってはちょっと深い時間に、アニメをやっている、それを見る、それだけでも特別な感じがした。『笑ゥせぇるすまん』の作風もあった。

しかしなんだろうか、番組に出ていた藤子不二雄A氏自身にも興味をひかれた。おれの知っているたくさんの「まんが」の作者が、実に渋い「大人」だったのだ。かっこいい、と思うには早すぎたかもしれないが、「まんが家」というもののイメージを変えてくれたように思う。

まんが道』も大好きな漫画だった。なんか分厚いタイプの本で読んでいた。小学生のころだろうか。原稿を落として電報のシーンは、トラウマと言えないまでも、かなり印象深いものだ。寺田ヒロオなんて名前も、この作品がなければ知らなかっただろう。

して、おれが現在所持している藤子不二雄作品(FA前)となると、『劇画毛沢東伝』ということになる。入手の経緯は覚えていない。かなり古い本である。現物の写真を出したいところだが、暗黒的収納棚の本の奥にあるので出せない。

 

これも、「藤子不二雄先生がこんな作品を!」という衝撃があった。Aの仕業である。とはいえアナーキーではない。毛沢東賛美に近い。読んで面白いので、読め。

というわけで、ともかく、藤子不二雄世代(ものすごく幅広いし、今の幼子も世代かもしれない)にとって、また一つ時代が終わったような気もするし、まだまだ作品の寿命はのびていくのかもしれない。それは時代が判断することでどうなるかはわからない。

しかしながら、おれがおれ自身を藤子不二雄世代と思うことは一つの事実であって、この一つは忘れがたいものなのである。

以上。