地味で実用的な画像生成AIの使い方〜Adobe Firefly in Photoshop

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寄稿いたしました。Adobeのアプリに画像生成AIが搭載された話です。ちょっと読んでみてください。「望むような美少女キャラが描ける!」みたいなキラキラした話ではありません。キラキラしているか?

 

キラキラしていない実例とはこんな感じです。

たとえば、「このバス消して」みたいな話は出てきます。手前の樹木の葉っぱが入り組んでいるし、バスだけ選択するの面倒くさい。自分が手動でやるとしたら、スタンプツールで葉っぱを増やして重なり部分は隠してしまうだろう。でも、奥のほうが面倒くさい。細い柵とか描画するのはスタンプではなかなかうまくいかない。まあ、うまくできる人もいるだろうけれど。

 

 

で、生成ぬりつぶしだ。こんな具合に適当にバスを選択する。きっちりバスの輪郭をなぞる必要もない。それで、プロンプトを空欄にしてリターンキーを押す。

 

そうしたらこうなんよ。ちゃんとバスだけ消えてる。奥の方の樹木もコピペではないので自然に見える。選択範囲にかかってしまっていたプランターも、そこをえぐったりしていない。なにより、柵を連続して描いているところがすごい。これが、適当ななげなわツールと、キータッチ一つでできる。

 

まあ、なんというか、「バスを消して」という「文脈」を理解してくれているのだろう。「理解してくれているように見せかけている」というのが正しいかもしれないが、出てきたものがこれならば「理解」といっていいのではないか。

 

もう一つ。

中央の写真の、ちょっと引いたやつがほしいな、みたいな話。カンバスサイズを拡大して透明部分を作る。このくらい空白部分があると、スタンプツールなど使っても不自然さが出てくる。背後の葉っぱなんかは比較的自然になるだろうが、写真下の方はめんどくさそうだ。

これも、透明部分を自動選択ツールでクリックして、プロンプト空欄でリターンキー。

これが、こうなる。画面右の生成された植物は完璧だし、なにより下の方の部分がよい。「干しているのが伸びているんだろう」というのを予想している。さらに、左にはもう一つ似たようなものをゼロから生成している。やばいよな。右上になんか青い、かかしの手みたいなのが出ているが、こんなものは秒で消せるので問題ない。

これもまた、文脈をわかってくれているのだ。しかも、これにプロンプトは一言も必要ない。無言でリターンキーだ。これも「カンバスサイズの拡大」、「透明部分を選択」、「キーを押す」の3ステップでできてしまう。

 

……いや、これはもうあれだな、あれとしか言いようがない。ポンチ絵に使うような資料画像なら適当な合成作業でいいが、それでもちょっと時間がかかる。もしも成果物に使われるようなものなら、相当に気を使う。それが、こうも簡単に、ポンとやってしまう。

正直、おれは画像生成AIについて、ブログの挿絵に女の子のイラスト描くくらいのもので、「呪文を極めれば自分好みのすごいイラストが描けるのかな〜。そこまでやる気ないけど」というくらいのものだったが、この実用性を見て、「うわ、まじすげえな」となった。地味に、役に立つ。実用的。人間の仕事はなくなる。その分サボれる。いや、人が必要なくなる。まあ、働かなくてよくなるのはいいことだ。

 

あ、あと、最後にFireflyができないことについて。最初のリンク先の記事に貼った写真は、最初に生成塗りつぶしで遊んでみたもの。なんか戦争中みたいな写真にしてやろうと思ったのだが、「爆発」とか「炎上」とか「兵士」とか「対空砲」とか、そういう物騒なものは規約違反で描いてくれない。そりゃこの精度ならフェイク画像作れちゃうもんな。でも、「アニメ風」、「SF」とかだと、戦車と兵士は描いてくれた。質はともかく。まあフェイク写真についてはより一層要注意の時代よな。上の作例もいわばフェイクだし。まったく。