西川龍馬はカープでやりきった感じがしない

西川龍馬がフリーエージェント宣言をした。

広島・西川が国内FA権行使/野球/デイリースポーツ online

 広島の西川龍馬外野手(28)が14日、昨季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使することを表明した。「パ・リーグでやってみたい。環境を変えて新たな自分探しができたら」と話した。

 

おれは新井貴浩現監督のフリーエージェントのときには相当に衝撃を受けたものだが、西川龍馬についてはそうでもない。

 

西川龍馬がカープにとってたいした選手でなかったのか? 否、だ。その天才的、変態的打撃は大きな楽しみであったし、本来の打順ではないかもしれない四番を任されても、ここでは打ってくれるとおおいに期待できる選手だった。カープファンの多くは、天才西川の開花を願っていた。

 

開花? 開花はしていた。していたかもしれない。それゆえのフリーエージェント権の取得であり、獲得に乗り出す球団あっての宣言だ。天才西川は実績を残してきた。

 

だが、だ。だが、西川はそのポテンシャル、本領を発揮したのか。発揮しきったのか。カープでできることをやりきったのか。そういう問いになると、「どうかな」というところは否めない。

 

むろん、チーム事情により本来の打順(が、どこかなのかもいまいちわからないが)でないところを打たされたり、ということもあったろう。とはいえ、本人の怪我しやすい体質でフルシーズン戦い抜いてきた、という印象もない。どうにも、故障のせいで本領発揮、全力を出し尽くすというイメージがない。

 

イメージがないままにカープを去る。なんというか、一人のファンとして、なんか中途半端な気持ちがする。よく言い表せないが、「ここまでやったんだから、優勝するまでカープでやってほしかった」とか、「ここまでやってくれたんだから、自分の道を歩んでほしい」とか、ひたすらに暗い気持ちになるとか、そういうふうにならない。「カープを去ってしまうのか」という、なにか平然とした気持ちが強い。

 

とはいえ、チームは平然としていられない。今年の前半戦でまともに打てていたのは三人か四人で、そのうちの一人が西川だ。シーズン終わってみても、途中離脱した西川がいなかったらどうなっていたことかわからない。選手層が薄い広島にとって、大ダメージだ。

 

来期の外野陣はどうなるのだろうか。秋山は手術の影響もあって開幕からどうなるかわからない。年齢のこともあるし、休み休みということになるだろう。野間は比較的安定しているが、こちらも故障しやすいし、ここ二年くらいは単打に徹しているところがあって、打順も限られる。末包は大いに期待したいところだし、右の大砲としてスタメン定着してほしいところだが、まだ未知数なところはある。未知数なところでいえば田村や中村貴もいるが、やはり未知数すぎる。ここで真に覚醒した堂林、などという可能性も期待したが、どうなることかわからない。だいたい、堂林は一塁か三塁に回るかもしれない。

 

まあ、もう、仕方ない。もう西川龍馬はいないのだ。ただ、今期西川が離脱しても、いろいろな選手がなんとかその穴を補った。補って負けなかった。そこを補うのが、今後数年を頼める若手であれば理想だが、そうでなくてもなんとかやるしかない。どうもすごい補強というものもないらしく、来期も新井さんのモチベーターっぷりに期待するしかないようだが、それを信じるしかない。

 

あと、最後に、たぶんオリックスファンに申し送りをしておくとすると、とにかく西川は怪我しやすいです。スペです。あと、バッティングフォームから三振したときの凡退時に「やる気がない」ように見えることがありますが、そんなことはないと思いますので、その点はやさしく見守ってください。

 

以上。