会話というものがありますね。
急に、ありますね、なんて言われて、
「あるよ、そりゃあ」
と怒り出す人もいるかもしれないが、ま、落ちついてください。
人間は会話をする。
人間は会話をする動物である。
おれが目的とした「ドーダの人々」はこんな始まり方をする。「ドーダ」とは関係なく、やっぱり東海林さだおの文章はすげえなあと思う。おれの文章の規範の根源は東海林さだおなのだ。このあたりで、おれはもう参ってしまう。
でもって、人間の会話というのは「ドーダ!」でほとんどできている、というのが西荻学派の学説なのである。おれは東京をよくしらないので、西荻がどのあたりなのかよくしらない。
まあともかく、人間の会話というのは「ドーダ」に傾くということである。そして、こういうことになる。
白状すると、われわれの商売はドーダそのものである。
ドーダ心が人一倍強い人がこういう商売を始める。
こういう商売というのはいわゆる自由業と言われているものだ。漫画家、小説家、音楽家、画家、俳優、タレント、カメラマン、歌を歌うアーチスト……。
こういう人たちは朝から晩までドーダのことばかり考えているのだ。
こういうドーダはドーダ、ああいうドーダはドーダ、ドーダ、ドーダ、ホラ、ドーダ、と、ドーダ、ドーダで半年暮らし、あとの半年は寝て暮らすどころか、やはりドーダ、ドーダで起きて暮らす。
白状すると、おれのような泡沫日記書きブロガーも、ドーダ、ドーダを考えて暮らしているといっていい。おれは学歴も職歴もたいしたドーダがないので、陰ドーダを採用することになる。あんたらはいい大学を出たエリートかもしれないが、ドーダ、高卒のおれの底辺っぷりを見ろ、という具合だ。
お前ら明らかに「地方」と「低学歴(非大卒)」見下してるよね
- [はてな]
- [下から目線]
上からマウント取られたら、下から目線で胴絞にもちこむのがはてなを生きるコツだ。
2020/10/30 14:07
正確にはマウントを取られてしまっては胴絞に持ち込めないのでガードポジションということらしいが、まあ下から目線で勝負だというところだ。ドーダというのは奥深く、人間の自己愛という開拓しつくせない沃野(ラ・ロシュフコーだっけ?)を突き詰めたものなのである。いやはや。
で、ドーダは置いといて、「文章の書き方、教えます」という項に飛ぶ。これは、東海林さだおと高橋春男の対談であって、コラムを書くことになった高橋春男が東海林さだおに教えを乞うような内容である。ここで、おれの文章の根本である東海林さだおの文章術が明らかになっている。
高橋 最初に東海林さんに雑文を書きなさいと言った人は誰なんですか?
東海林 えーっとね、文春漫画賞をもらったときに長谷川町子さんが選評の中で「この人は文章も書ける人だ」というようなことを書いたのが最初だと思う。
フハッ、長谷川町子きっかけ。すげえな。
高橋 東海林さんの文章って短くて読みやすいですよね。
東海林 ほら、いい日本酒はスラスラ飲めるでしょう。とりあえずスラスラ読めるっていうのは大事なんですよ。
高橋 そうですよね。凝りすぎた文章だと、進まなくて読む気がしなくなる。
東海林 やっぱり文章ってリズム、呼吸なんだよね。『声に出して読みたい日本語』っていう本が出たでしょ。声に出して読むと、人間の呼吸の生理と一致してない文章はつっかえちゃうんだよね。
文章の呼吸! そして、書き出しの型!
東海林 ……それとね、出だしは短く。一行で収まるように。
高橋 雑誌の一行って……。
東海林 十三字から十八字ぐらい。一行目は短くないと、読者は読むのがやんなっちゃうのね。
高橋 東海林さんは改行も多いですよね。あれは字数を稼ぐため?
東海林 そう(笑)。
高橋 まあ、ぎっしりで、おまけに漢字が多くて、ページが黒々としてると、それだけでゲンナリしちゃいますからね。
東海林 うん。ある程度、隙間があったほうが読もうって気持ちになりますね。
おお、そうなのか。というか、これってブログとか、ネットのおもしろ記事にも応用できね?
つーか、この本に収められている「なにわ七低山めぐり」なんて、そのままDPZの記事になったっておかしくはない。というか、掲載されたら、おもしろいに決まっている。ネットだけにイラストではなく写真になるかもしれないが、それにしたって、どうしたっておもしろい。
ああ、おもしれえ文章書きてえな。まあ、そのためには、破れかぶれが一番大事、らしい。そこんとこおさえながら、おれも書き出しは短く、改行は多くでやっていくつもりなので、よろしくおねがいします。
以上。
<°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡
<°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡
<°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡