今朝、オロナミンCのCMを見た。初めて見たのかどうか定かではないが、滝沢秀明(はじめ‘タッキー’と打ってちょっと戸惑った。男が‘タッキー’言うのはありなのか?という疑問である)と上戸彩が共演しているやつである。当然、この組み合わせは来年の大河ドラマに他ならないし、衣装もそのものだ。果たしてはこれはNHKの許可を得たのか、それとも別にNHKがどうこう言う問題ではないのか、そこらあたりはよくわからない。が、とにかく『新選組!』が終わり、『義経!』が始まるのだ。
俺は幕末という時代が好きで、そのあたりの小説をいくつか読んでいた。ゆえに、途中からでも『新選組!』にはすんなりと入っていけた。ところが、『義経』となるとどうだろう。http://www.nhk.or.jp/drama/html_news_yoshitsune.htmlこのあたりを眺めてみても、「聞いたことあるような、ないような」という人名ばかり。もし『義経』を観るとすれば、初回からちゃんと観なければなるまい。もっとも、『新選組!』もはじめから二、三回観て放ってしまったのだからあてにならない。そうだ、それに俺には『義経』に入っていけるバックボーンもあったぞ。
俺は鎌倉市立の小学校で六年間を過ごした。「なるほど、頼朝や義経についてちょっと詳しく習ったんだな」とお思いになられる方もあろう。ところがどっこい、ちょっと詳しくどころじゃなく、ひたすら鎌倉時代なのである。だから、「腰越状」なんてマニアックな言葉もすんなり出てくる。
思えば変な話である。俺のいた小学校は、日教組が実に強かった。これでもか、という感じだった。なのに、社会の時間となると郷土鎌倉の話、鎌倉時代の話に終始する。「将来、鎌倉幕府復権のクーデターを起こすための思想教育か」という勢いである。俺は私学受験のために塾に通った。そのお陰で、なんとか最低限の日本の歴史を、知るに適した年齢で知ったと思う。が、塾に通わぬ人もいるのに、鎌倉ばっかりやってていいのだろうか、と当時ですら思ったものだ。
もっとも、こんな話は日本全国津々浦々である話かもしれない。会津若松の学校では、えんえんと白虎隊について学び、薩長と新政府の悪口を教えてるかもしれない。なにせ、太平洋戦争で日本が負けたとき、会津の人は「薩長の政府が負けた!」と喜んだという話が残ってるくらいだ。いや、一種の“民族ジョーク”かも知れないけれど。その手のやつでは、京都で「こないだの戦争」というと「応仁の乱」のこと、なんてのも好きである。
何の話だったか。オロナミンCの話であった。オロナミンCの区分は炭酸飲料で、医薬品ではない。医薬品扱いの栄養ドリンクといえば、リポビタンDである。そのリポビタンDより効果がありますよ、と据え置きの薬屋が職場に持ってきたのがカーク2000なる栄養ドリンク。年度末などにはカークの空瓶でゴミ箱がいっぱいになるのだが、ある日そのカークが衣替えをした。その名も「新カーク3000」。なんとタウリンが1000も増えたのである。このように、商品は日々進化していくものだ。ところが、である。その薬屋というのは富山の会社、まさに“富山の薬売り”に他ならない。私は人間の織りなす歴史の綾の前に、ただただ恐れ入るのみである。