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ダビスタにお仕着せの物語は必要か?

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dabimas.jp

おれが競馬に費やしてきた時間と金はそれなりのものだろう。おれの頭の中に詰まっている競馬に関する知識も、おれの小さい脳みその中ではなかなかの容量を占めていることだろう。

そのきっかけはなんだ? しつこくおれの知らないゲーム、おれの知らない競馬について話し続けてきた友人のせいだ。それでナリタブライアンの勝った菊花賞をたまたまテレビで見たせいだ。スティールキャストの大逃げと「母を彷彿とさせる」と言った実況に、なにかとんでもない競走馬の血統の深さを想像したせいだ。

そして、はじめてしまったダビスタのせいだ。

おれがダビスタに費やしてきた時間はそれなりのものだろう。おれがダビスタに費やしてきた時間と労力を、なにかべつの有意義ななにか注ぎ込んでいたら、「ああ、あなたは有意義なことをしましたね」と言われることだろうと思う。有意義なんてくそくらえだ。

そのダビスタスマホのゲームになって出てきた。これは危ないと思った。買い切り式ではなく、ガチャとかを回す方式だという。幸いにして、おれはほとんど、その、いわゆる「課金」というものにかかわらないで生きてこれた。すばらしいストライクウィッチーズのゲームですら、なにか乗り気にならずすぐにやめてしまった。おれはその手のゲームにはいまいち乗れないのだ。そう思っていた。

だが、ダビスタならどうなのか?

これは危ないと思った。引きこもって馬を作りつくりつづけた日々。産駒の要素をメモするための大量のコピー。今は故人となった成沢大輔の攻略本。攻略本というか、種牡馬辞典。何もかも危ない。おれは馬券のほかに、さらに競馬に金を使ってしまうのか……。

と、思いながらiPhoneに落としてプレイを開始したのだが、おれはウイニングポストをやっているのかと錯覚した。おれはウイニングポストにも相当の時間を費やしてきて、それを有意義(以下略)。

「お久しぶりですね」と牧場長が言う。そこはよかった。そこだけがよかった。他のストーリーなんてどうでもいい。あとは小さな牧場に繁殖牝馬があって、乏しい資金があって、勝手に安い種馬をつけて……だんだん箱庭を大きくしていって、重賞を勝てるようになったりして、でも、その「物語」はおれの脳内で勝手に作られるものだ。ゲーム内での最終目的は凱旋門賞かなにかか? それもこっちで決める。なにもかも、おれの脳内で、ときにはメジロ牧場のような気分になり、社台のような気分になり、西山牧場気分のときだってあるだろう。なんだっていいが、勝手にストーリーを作らないでくれ……、それはウイニングポストで十分だ。いや、そのウイニングポストだって、ここまでお仕着せ感はない。ダビスタの、時間の外で競馬だけが存在していくような、あの無窮の感覚は……。

と、おれがプレイしたのはまだ十数分にすぎない。そのうえ、馬に名前をつけていたらいきなりエラーが出て止まってしまった。神様は、おれにこのダビスタの名のついたものをプレイするな、といっているのかもしれない。血統が最大の肝なのに、血統が見やすくない(繁殖牝馬のセールにしろなんにせよ、いちいち「血統」タブを押さなくても、父と母父くらい名前の横に表示させろよ、とか)、このダビスタらしきものを。

まあ、どうするかはわからない。わからないが、おれの頭のなかで「これにハマると危ない」というアラームは鳴らなかった。今のところは、だ。というわけで、今のところは、以上。