十五歳プロ誕生

http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200411/bt2004111802.html

−−プロでの自信は
「まだ試合に出るのは無理です。でもプロに入ることがゴールインじゃない」

 十五歳の辻本賢人がドラフトで阪神に指名――例年であれば、オフシーズンの話題を独占するような話ではないかと思う。そして、日本の野球界の構造に一石を投じる話でもあると思うのだ。
 日本のプロ野球にはサッカーのような下部組織がない。あくまでドラフトを通じて入団した選手が、一軍と二軍に分けられるだけだ。では、ドラフト以前の選手がどこで育成されるかといえば、リトルリーグ、中学、高校、大学、企業の野球部である。ある学校とある球団のパイプなんてものはあっても、そこには指導面の一貫性など皆無だ。はたしてそれでいいのだろうか。
 プロ野球は国民の娯楽として泰然自若としておれば良かった。優秀な肉体を持った人間は自然とプロ野球に集まってきていた。しかし、今やサッカーなどのライバルが精力を伸ばしてきているのである。この際、早いうちからプロが育成するという選択肢もあっていいのではなかろうか。あくまで選択肢の一つとして。
 そういったことを実現するには、馬鹿馬鹿しいプロアマの壁を無くし、権限のある人間をトップに据えた日本野球協会が必要だ。球界再編と言われるが、なにもプロ野球だけが野球じゃない。そこらあたりどうにかならないものか。