馬には乗ってみよ、人には添うてみよ、イベントには踊らされてみよ

http://www.family.co.jp/company/news_releases/2004/041227_1.html

ファミリーマートでは、「節分まるかぶり寿司」の販売を1980年代に関西地区で開始したのが始まりで、近年では、認知度の高まりにより、地域に関わらず需要が増え、2003年に全国での予約販売を開始しました。

 節分には豆をまく、というのは小さな頃からの常識だ。しかし、太いのを口にくわえ込むというのは、実に最近知ったという人が多いのではなかろうか。自分がそれを認識したのも、ここ数年といったところ。そして、いまだ太巻きを食ったことはなかった。
 こういうイベントには「小僧寿しの陰謀だ」とか「コンビニ業界に踊らされている」なんて意見もあり、「バレンタインはお菓子業界の陰謀」、「母の日は花屋の陰謀」、「綿花はデカン高原の陰謀」などに通じるものだろう。しかし俺は「陰謀だからなんなの?」というタイプの人間で、それを楽しめる人がいればそれでいいじゃないと思うのだ。
 というわけで、太巻きを求めてファミリーマート山手店に寄った二月三日の夜。奥の弁当の方の棚の前に立って驚いた。上から下までぶっといのが所狭しと詰まっているのだ。この異様さにちょっと圧倒された。なんかここまでやられると、逆に買いにくいって気にもなるもんだ。が、俺ははじめから太巻きを買いに来たのだ。その中から「これだ!」と思う一本を選び、ついでにカップ酒(文句を言いながら最近好きです)を一本抱えてレジへ。すると、おまけに方位磁石がついてきた。これで恵方を確認せよというわけだ。そしてさらに、「あちらの箱からお好きな五円玉を一つお持ち下さい」と。単なる五円キャッシュバックキャンペーンにあらず、いくつかの神社でお清めされた五円玉である。場所は、鎌倉(弁財天だったかな?)や川崎大師など、県内の名所がいくつかある充実ぶり。俺が選んだのは「仕事・ギャンブル負け知らず」という言葉が頼もしい「箱根で清めました。」だ。五円玉は小さなビニールパックに入っており、説明の紙は手作り的にプリント、カットされたもの。御丁寧に当地の門の前に立つ店長(?)の証拠写真まで載っている。
 帰宅した俺は、早速方位を確かめた上(幸いにも普段の食卓の方向であった)、太いのをくわえこんだ。なかなか丸かじりで食うってのはおいしいね。もしこれが切り分けられていたらつまらない。しかも、けっこうボリュームもあって、結局晩飯は太巻き一本で済んでしまった。
 これで今年の幸福も約束されたのも当然である。ファミリーマートの皆さまに感謝するとともに、あの大量の太巻きがさばけることをお祈りしております。