タイガー&ドラゴンの感想

 なんてことだろう、初めの五分ほどを見逃した。洗濯物を畳ながら、報道ステーションなど見ていたのだ。石原慎太郎沖ノ鳥島に行ったニュースだったと思う。それを見ながら、「海きれいだなぁ」「石原は元気だなぁ」などと思っていたのである。ふと気が付いて、ゾクッとした。
 しかしまあ、その後は最後まで楽しみながら見ましたとさ。それで、何と言っても印象に残るのは「最初に‘東京湾に沈めるぞ’って言ったヤクザだって、その後ずっと東京湾東京湾言われるとは思ってなかったんだよ」というありがたい教訓。好きとか嫌いとか最初に言い出したのは誰のなのかしら?
 というわけで、春風亭昇太の恋話(?)の回だったのでした。薬師丸ひろ子クドカンファミリーなんだなぁ。しかし、合コンを巡る男どものバカな感じはよかった。なんか岡田君と阿部サダヲの兄弟が(と書くとものすごい違和感あるな)固くなってるし。しかしまあ、あの露天風呂でのキスシーンはエロくてよかったな。ああいう覗き見というか、覗き見でもないけどm、ああいうシチュエーション。思わず腰もクイッとなるのもわかるわ。
 そしてだんだんお客さんの声援も大きくなる小虎の舞台。あの、必ず噺の主題の人が客席に居て、拍手したり去っていったり、この構図好きなんだよな。まるで関係ないけれど、なぜか『マルホランド・ドライブ』の地下劇場を思い出す。考えてみれば、このドラマだって、登場人物達が時代を超え、現実と空想を超えて解体され、小虎の噺によって再構築されるという多重構造を持っているのである。……などと適当に誉めてしまったが、来週は高田文夫次長課長の劉さん、いや、河野なども再登場するようで、これはまた楽しみだ。