K-1 WORLD GP 2005 IN HIROSHIMA

 昨日家を出る前にふと思い出し、一応録画予約を入れた。ボブ・サップが出場するからだ。もしもサップがいなかったら、あまり興味は無かった。毎度同じメンバーで、同じような試合になるだろうから。そして、深夜十二時頃帰宅して見たのだが、これが予想以上に面白かったのだった。
 そうか、サップはデカイのだった。思わずそう思った。中尾芳広戦だ。どうも近ごろの情けなさげな姿から忘れていたけれど、その身体そのものが何よりの武器だった。それと、気になったのが表情。髭を剃ったせいか、何やら老獪なヘビー級ボクサーみたいな感じ。この日は必要以上の怒り表情も無ければ、ヘタレ表情も無く、なにやら落ち着いた感じ。しかし、ダウン後攻撃をヒョイと出してしまう不注意さはどうにかしてほしい。ここら辺、何だかんだ言って格闘技を始めたのが遅かったことによるものだろうか。で、中尾戦は判定勝ち。サップの判定勝ちってあったっけ。ジェロムレ戦? まあいいや。しかし、中尾もプロの道を選んで(なぜK-1なのかよくわからないが)、サップみたいに自分よりデカイのを敵に回して戦うというのも、格闘家としてのしびれる一瞬なのかもしれない。
 そういう意味で、トム・ハワードも貴重な体験をしたと言えるかもしれない。チェ・ホンマン、やはり冗談みたいに大きい。しかも、ピョコ前蹴りみたいなこすい(とはいえあの体躯だ)飛び込みから、案外まともに戦う。ひょっとしてかなり強いのかもしれない。そして、あのキャラ。あの、と言ってもコメントや試合前試合後のパフォーマンスは無いのだけれど、問答無用の存在感。というか、不気味さ。ナチュラルなヒール役というか何というか。一線級とやったらどうなるかはわからんけど、少なくともこの日の膝蹴りには、見ていて思わず「ウェッ」と声を上げてしまうインパクトがあった。
 ついでにスーパーファイトもう一つ、レイ・セフォールスラン・カラエフセフォーはお馴染みだけれど、カラエフは新顔。結果、あっと言う間に終わってしまったけれど、カラエフの実力の片鱗は見られたように思う。もうちょっと長く見たかった。
 で、本戦の方は中迫剛堀啓などじっくり長試合。中迫ってこんなに細かったっけとか思った。挑発合戦やかけ声とか、こういうのはやらないよりやった方がいいと思う。で、勝ち上がっていったのは富平辰文か。ボブの二戦目は開始直後のラッシュあたりの迫力十分。一瞬電池切れかと思わせたけれど、堀啓では圧力不足だったか。ただ、堀が反撃のリスクを考えずに畳み込んだらどうだったか。けど、電池切れに見えたから、慎重に自分のペースにしたいのも当然だったか。
 で、決勝。1Rからボブのペースで(最初のダウンはどうかと思った)、トーナメントにも一応対応するスタミナを見せる。富平必死の抵抗でしのぎきって、録画予約終了の砂嵐。なんだ、この、胸くそ悪い、結末は。