“ヘイポー”と呼ばれた男

 昨夜のガキの使いは久々の裁判、それもヘイポーの裁判であった。とはいえ、全般的にうすっぺらさに厚みが無く、過去のVTRを流すなど、ややネタ不足の感はあった。いや、そのVTRにしたって、子どもそのまんまの暴れっぷりは見物だし、あの再現イラストと声(平島なんとかさん。検索してみると、平島泰憲という日テレのディレクターと出てくるが真偽は不明)は外れなく面白い。
 内容の方は、地震にびびるネタに始まり、レンジローバーから落ちて電柱に頭をぶつける話。電柱の方は、血ィ出てたんなら、病院行くの普通かなとは思うけれど。しかし、最後のネタはなかなかきていた。コンパでのっけから相手女性にSかMか聞いた、という話。この件についてヘイポーは「自分はMなので、相手がSじゃなかったら話す価値がない、帰る」などと言うのだ。なんという価値判断、二元論。Mを自認する松本人志すら引いていた。
 もちろん裁判は有罪。罰はヘッドディスプレイでホラー映画鑑賞。ルドヴィコ療法でもあるまい、目を閉じればいいのに。……と思ったとき、気が付いた。ヘイポーがドMであれば、こうやっていじめられるところに快感を得ている可能性だってあるのだ。なるほど、彼のいじられやすさは、そのM体質が無意識のうちに呼び起こしてものやもしれぬ。恐るべし斉藤敏豪、さすがは世界のヘイポー、といったところか。