君の愛は地球を救ったか?

 日本テレビ24時間テレビがあった。が、フジテレビのに比べてほとんど興味がない、というのが本音。チャリティが前面に出るだけに、バカはできないしね。でも、深夜久々に電波少年の映像を見た。自分が事前に提出した危険ネタが、ほとんど採用されていないと言う松村邦洋には笑ったが。しかし、松村最近さらにえらく太ったように見える。
 とはいえ、もちろんラストは見逃せない。ラストだけ見て二十四時間見たような気になって、サライに浸るのがいいんじゃないですか。というわけで、円広志が「まわってまわって」言いながら武道館に吊り下げられるあたりから見た。「これで落ちて大事になったら、来年からこれどうなるのかな〜」に続く、果てしなく不謹慎な妄想が広がったことを告白しておく。
 そして、ZARD「負けないで」から、「サライ」へ。やけにキムタクが弾けてるのが気になる。そして、計ったように丸山弁護士がナイスタイミングでゴールイン。直前から顔を抜かれていた北山弁護士が出迎えて最高潮。いやあ、今年も二十四時間よかった、感動した。その後、「行列のできる法律相談所」で、北山弁護士が、自分は元高校球児として熱さに感動しただけで、「相手は誰でもよかった」と通り魔みたいなことを言っていたのも感動した。
 ところで、このチャリティ番組の存在自体について、毎年毎年尽きることのない指摘がある。「広告費や放送経費や人件費をそのまま募金した方が遙かに有意義」というような意見だ。
 はてさて、これはどうなのだろう。‘誰が見返りなしに大金を募金するだろうか。皆が得して結果的にお風呂カーになれば、それでいいだろう。もしも経費が募金額より多くても、キャンペーンが存在しなければ募金額はゼロなのだ’……というのが現実的とされる物の見方だろうか。俺も、ある複雑に絡み合った事柄一つを取り上げて、全なるを一として善か悪か、善か偽善か論じるのは無理があると思う。あるいは、それを断ずるに足る、あらゆる人が納得できる「体系」(あらゆる側面に一貫性を有するもの)は、ついに見つかっていない、のではないかと。
 が、上の引用したような、彼らあるいは彼女らの「善」や「意義」について、それを単に笑い飛ばしていいものなのか。これについても俺は敵前逃亡するしかない。この世の誰かは「真」「善」「美」について突き詰めて考えるべきなのではないか、とも思うからだ。未知なる思想体系の萌芽に幸あれかし。
 ……こんな風に俺も中学生になってしまうのは、24時間テレビが夏休みの宿題の追い込みと切り離せぬ存在だったせいだろうか。ピース。