タクシー運転手は眠らない

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051017-00000040-kyodo-soci

 道路運送法改正による規制緩和で、タクシー事業の新規参入や運賃値下げが相次いで認められたため業者間の競争が激化、収入が減ったとして、大阪府内のタクシー運転手5人が17日、国を相手に、近畿運輸局による過去半年間の許認可処分の取り消しと計250万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。

 何この提訴? ……と、あの番組を見なかったら俺の中で片づけられていたであろうニュース。あの番組とは、NHKスペシャルだったか、大阪のタクシードライバーのドキュメント番組である。淘汰合戦になって値下げして客が喜んでも、数が一気に増えるわけでもなく、しわ寄せは運転手の労働時間と収入減に響くだけ。お上は競争を煽るばっかりで、むしろ超過労働の規制で小さめのところを潰しにかかる。かなり悲惨なのである。この提訴とて、世間へのアピールが目的だろう。
 では、俺は同じ貧乏人としてタクシー運転手に同情するのか? それは全くあり得ない話だ。同情のどの字も出てこない。それはなぜか。タクシーが金持ちの乗り物だからだ。俺の単純明快な社会観において金持ちは敵である。敵が乗る物を運転する者は敵に他ならない。タクシー運転手は金持ちの仲間ゆえに、微塵も同情が湧かない。これが社会の底辺に澱む下流下流、最下流たる俺の、あけすけでどうしようもないくらい直球の発想なのである。金持ちは憎い、タクシーは憎い。それ以上でもそれ以下でもない。あらゆるタクシーがあらゆる金持ちを乗せあらゆる交差点であらゆる居眠り事故を起こしあらゆる金持ちとあらゆるタクシーがあらゆる消滅を迎えるあらゆる夢を見てあらゆる屁をひりだしてい生きているあらゆる俺という生き物。