究めよ藝ノ道

http://www.nikkansports.com/ns/battle/p-bt-tp0-051104-0004.html

 和泉流20世宗家の和泉元彌(31)が「狂言力」でプロレスを制した。デビュー戦で元WWEの鈴木健想(31)を必殺技の空中元彌チョップで仕留めた。

 記事にもあるように、ワイドショーで取り上げられたのを俺も見た。朝の「とくダネ!」である。この試合の前哨戦も、また、この試合自体もダイジェストのダイジェストながら、それなりに時間を割いて紹介していたのである。そして思ったものだ、「面白そうじゃん」と。実際そうだったようで、取材してきた長谷川アナなども「久々に涙が出るほど笑った」と述べていた(俺は他人の言うことを信じやすいたちである)。
 それにしても和泉元彌か。あの体型でプロレスのレスリングの部分はともかくとして、観客へのアピール力はやはり本物なのではなかろうか。それこそ、かつては広く人々に楽しまれた狂言の力。とすると、総合格闘技などに押され気味のプロレスも、伝統芸能からパフォーマンスを学ぶというのは大いに有効な手段だろう。例えば、今度は歌舞伎をフィーチャーしたレスラーを登場させる。リングネームはザ・グレート・カブキでどうだろう。斬新だ。

まさにHG劇場だった。デビュー戦からメーンイベンターの重圧を吹っ飛ばし、プロレスラーとしての才能を見せつけた。

 さらにこの興行、メーンもよかったという。前述「とくダネ!」では「放送できない」と冗談まじりにカットされたレイザーラモンHGインリン・オブ・ジョイトイ。こちらも芸ならぬゲイの道を突き進むハードゲイ(でもノンケ)、さすがに学生プロレス出というところの活躍だったのだろう。しかし、相変わらず「モーガン・フリーマン」(今後の対戦相手として)言ってるが、果たしてHGのモーガンネタがウケたのをあまり見たことないのが気がかりだ。とはいえ、プロレスラーとしてのあらゆる意味での適性の高さは確実だろう。しかし、こんな声もあるのだ。内外タイムス「ディーノがチョコボール向井に強姦未遂」という記事より、男色ディーノの発言を引用する。
http://www.naigai-times.com/content.php?janre=fight&key=1000722&date=2005/11/02

キャラがかぶるレイザーラモンHGを「あれは中学2年の英語レベルのゲイよ」と一蹴。「ハードだのなんのってこだわってるのが幼いのよ。せいぜいハードに笑って、ハードに泣くのね」と、ぴしゃりとやっつけた。

 げに恐ろしきはプロレス世界の深淵である。こんなときに、王道である新日本プロレスが、「長州また強権、軍団抗争廃止」(http://www.nikkansports.com/ns/battle/p-bt-tp0-051104-0003.html)などと暗いことをやっていて大丈夫なのか、などと思ってしまうが、まあ、ここらあたりもアントニオ猪木長州力の「プロレス力」でどうにかなっていってしまうものなのだろう。多分。