火サスワールドへようこそ

http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200605/sha2006053009.html

今春の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した洋画家、和田義彦氏の発表した作品が、イタリア人画家アルベルト・スギ氏の絵と酷似し、「盗作」との指摘を受けている問題で、文化庁は29日、調査対象の作品は少なくとも十数点に上ることを明らかにした。

 ワイドショウなどを見ていると、今は亡き「火サス」を見ているんじゃないかと思うときがある。殺人事件や何か? 違う、違う、伝統的な業界のスキャンダル。だれとは言わないが狂言師の話だとか、相撲取りの話。あれを見ていると、その中の確執から……みたいな殺人事件が思い浮かぶ、ジャッジャーン。
 というわけで、俺はこの盗作問題にも「火サス」臭を感じた。TBSのワイドショーは‘有名画家’ってしてたけど、誰が知ってた? フジの‘大物画家’という方がしっくりくる。斯界の権威みたいのでなくてはならん。権力構造その他愛憎からスキャンダル、そういう感じ。もちろん、この件はそこまで先が用意されているわけではない(和田氏とスギ氏で愛憎があっても困る)けど、そっちにつながってそうな雰囲気。
 しかしなんだろう、ということは、日本の洋画界は過去の遺物的、伝統芸能的分野なんだろうか。まあ、そうなんだろうな。うーんしかし、芸術の中でも、そういうところだからやり玉に挙がるわけだろうな。「森村泰昌氏の作品が有名作品に酷似!」とか言われないわけで(あたりまえか)。ここらあたり、和田氏もイタリア行って涙流して「訴えない」の言質とるヒマがあったら(とくダネ!情報)、「この盗作騒動自体があらかじめ計算されていた、現代のアート界における洋画の立場自体をラディカルかつシニカルに表現するための、全く新しい形のポップアートだ!」とかなんとか適当な台詞を用意しておいた方がよかったんじゃないのかね。よけいなお世話か。