政界の裏なんて知らないわけだけれど

http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-060221-0005.html

 自民党平沢勝栄衆院議員(60)は20日、民主党が先週末に公開した、ライブドア前社長堀江貴文被告(33)が武部勤自民党幹事長(64)二男へ3000万円を振り込むように指示したとされるメールの別のコピーを入手したと明かした。

 昨夜は零時過ぎに帰宅して、ニュースなど見ていなかったものだから、今朝この件を知った。平沢議員(以下議員略)やその他自民、民主のテレビでおなじみの面々が、各局ワイドショーをはしごしていたのだ。さあどうなる、というところで、そういったことはワイドショーやネット上に飛び交う話を見ているだけで楽しい(誰かが破滅する話は好きだ。中途半端に終わったら落胆する)。しかし、一つ気になったことがあったのでメモする。それは、平沢がこの堀江メールの、あるいは捏造された理由についての推測だ。
 平沢があげたのは「永田寿康議員への個人的恨み」、「武部幹事長を引きずりおろそうとする自民内の動き」、「フリージャーナリストの金銭目的」、そして最後に「オタクの愉快犯」(これの発言前に「こういう言葉でいいのかわからないが」と前置きしたので、ハッカー/クラッカーを踏まえた上での「ハッカー」かと思ったが、「オタク」が出てきたので驚いた)。もちろん、遊軍的、一匹狼的とはいえ、平沢も党の人間。それゆえに、発言にいろいろな背景もあるだろう。しかし、そんなものわからないので無視。そして、これは純粋に警察官僚上がりの警察官的発想なのかな、などと思ったのだ。
 まず、第一に一番単純な個人への怨恨。政界の疑惑とかになると、大きな背景を想像する方が楽しいが、一刺しが至極単純なケースだってあるかもしれない。まず、単純なところを見るリアリズム。二つ目が、急に謀略となって、「自民内」をほのめかすのには驚いた。しかし、これが本当だとしたらなかなかの策で、武部を落とせば目的成功で、失敗に終わっても敵陣営の永田が爆発するだけだ。三番目もあり得るか金銭目的。これも単純な動機だ。ところで、平沢曰くこのジャーナリストがいろいろの週刊誌などに情報を売り歩いたが、信憑性なしとして誰も相手にしなかった。最後に永田が買った、ということらしい。そして、平沢自身は自身の情報源について明かさないが、なんとなく追い払ったマスコミから提供されたようにほのめかしていたようにも思う(と思わせるブラフかもしれないし、俺の純度最高の妄想によるものかもしれない)。いずれにせよ、平沢は情報源を明かさないだろうし、フリージャーナリストから接触を受けたマスコミも、そのジャーナリストについて書きはしないのではないか。ここらあたりが、昔から今も変わらぬ、いや、今こそ大切な情報の取り扱いであり、情報源の秘匿だ。そして、さいごの「オタク」。これは直接恨みや利害が関係しない、愉快犯や通り魔的というわけで、これも陰謀から離れた視点だろう。しかし、「オタク」なのかな。まあいいか。
 というわけで、まあ、実際平沢だってもっと真相を知っているのだろうけど、あるいは考え方のアプローチみたいなものが垣間見られたような気になったわけだ。他にも、いつもとは違って民主党を責めるジャーナリストなんかも、自らの業界でのアプローチを述べたくなっているわけだし、ここらの見方が見られるのが面白い。人間そもそも、怪情報、怪文書の類のものが好きな性質があるんじゃないのか。そんなもののやたら大きなやつが国の真ん中に投げ込まれたら、そりゃミステリー好きや陰謀論者じゃなくたって色めき立つってもんだぜ、みたいな。