底知れぬ欽ちゃん

 俺の萩本欽一茨城ゴールデンゴールズに関する感情は、昨日書いたとおり(id:goldhead:20060719#p4)。その後、ニュースなどで彼の会見を見た。正直、ほろっと来そうになった。いや、来た。が、ここで俺のあまのじゃくが目覚める。「おい、ちょっとできすぎだぞ、いかにもかっこよすぎるじゃないか」とささやく。「ほろっ」は「来そう」の一歩手前くらいまで後退する。俺はこういうバランサーがおおよその場合で働いて、よく言えば中庸、悪く言えば意見無し、顔無しの人間だ。
 しかし、やはり決断が早すぎる。そういう印象もある。昨日はたまたま東スポを買った。週末に買うのがもっぱらなので知らなかったのだが、欽ちゃんの連載がある。大部分はサッカーワールドカップの感想にあてられていたが、最後の最後に「山本圭壱の件はまだわからないことが多いから」、と明確なコメントは避けていた。東スポのこの締め切りがいつの何時かは知らないが、一応考えている時間はあって、その上での発言だろうとは思うが……。たとえば、無実のゴールデンゴールズ関係者やファン、身内への言葉が少なすぎるように思えた。俺は昨日、「山本以外にも関わっていたのかも?」と邪推したが、そのあたりがはっきりしているのだろうか。いずれにせよ、俺は惜しいと思う。思うが、潔い決断といえば、決断だ。たとえ会見がいささかシアトリカルであったとしても。
 と、思っていたら、朝のみのもんたの番組に生電話出演したらしいじゃない。この話題になって、人から聞いた。「もう一度やるようなこと言ってたよ」と。探したら記事もあった。
http://www.nikkansports.com/baseball/amateur/f-bb-tp3-20060720-63219.html

同監督は「どうやって謝るか言葉が見つからなくて、謝るときは気持ちよくと思い、やめますって言っちゃって…」と前日の解散宣言に至った経緯を説明。その後、ファンや周囲から寄せられた多くの留意の声に触れ「謝ってホッとするんじゃない。これから何かしなければと思ったよ。もう1回整理して…」などと自分に言い聞かせるように語った。

 えー、カメラを前に、とっさの解散宣言だったのか? テレビの過酷な世界を生きてきた人間だけに、カメラを前にすると、そうなってしまうのか? いやはや、テレビ芸人というやつは。……が、ここでまたあまのじゃくがささやく「おい、あれだけの人間がうっかり解散宣言にあっさり発言撤回か? 全部考えた上での行動じゃないのか?」。うーん、では、メリットは。まあ、解散会見で謝罪の誠意は伝わったし、復活を望む声も大きいのは事実。卑しい発想だけれど、謝罪+イメージ回復+アピールをベストの形で終わらせることになったか、とか。でも、単に山本圭一を追放して、ちょっと頭下げれば、それで済まないわけでもないように思えるが。やはり、とっさの、天然(余談……「天然ボケ」という言葉は欽ちゃんがジミー大西を指して言ったのが発祥だとする説がある→id:goldhead:20060218#p3)?
 俺がこうとまどうのは、やはり欽ちゃんのことをよく知らないからだ。あくまで仮装大賞の人、なぜだか大将と呼ばれて芸能界の高いところにいるが、その面白さを実感したことがない人。この件の今後の振る舞いなど、どのようになるのかちょっと気になってきた次第だ。