『青山246深夜族の夜』クレイジーケンバンドwith野坂昭如

ASIN:B000091KWJ
 平成なんてだいっきらいだ、というわけで昭和75年に行われたこのライブアルバム。俺のお目当てはもちろん野坂昭如。「マリリン・モンロー」、「ヴァージン・ブルース」、「黒の舟歌」はアルバムの方に収録されていたが、「終末のタンゴ」は初めて聴いた、挫折、屈折、変節、総括。むむむ、やはり野坂はライブの方がいきいきと奔放だろうか。それに、説教とも説法ともなんだかわからないMCを収録しているのもたまらない。「人間が多すぎる」、「おいしいものから食べろ」、同感だぜ。そんなんでまあ、いい感じのクソジジイ感たっぷりで俺ご満悦。
 で、クレイジーケンバンド。ラジオやテレビ以外で彼らの曲をしっかり聴くのははじめてだった。FMヨコハマでけっこう流れていたし、言うまでもなくドラマ「タイガー&ドラゴン」のファンである俺。うーん、いいなあという感想。本牧、元町、大黒ふ頭、寿町に長者町横須賀線やドリームランドに地元感を抱いてしまう俺、CKBを聴いてなにがおかしいという話じゃないか。「セプテンバー」はラジオなどで聴くことが多いが、なんとも切なくていい曲。しかし、このアルバムで一番よかったのは三曲目の「シャリマール」。「パキスタンから身体ひとつで来日した中古車貿易商」の歌なのだが、これがもうよすぎる。「夕陽に向かって唱えるコーラン/紳士なイスラム シャリマール」だぜ。でもこれ、MCによると横山剣宅録音シリーズ(テレビブロスのコラムページの右上でこないだ紹介されてたやつだろか?)とからしく、バンドのナンバーではないらしい。いきなりマニア向けに食い付いてしまってどうしよう。まあ、いずれ機会があれば。