華麗なる一族 第三回

 かつて心に深い傷を負うなりして、ひねくれてしまった気取り屋の男。それが女かなんかに心打たれて、ええかっこしいのポーズを捨てて、意外な誠意を見せて万事解決……ってのがキムタクなのでしょう。キムタクのすべてなのでしょう。この万俵鉄平役のどこに適合するのかよくわからない。力を入れたドラマで数字取るための役者、というのはよくわかるが。
 だったらどんな役者さんならよかったのか、というと、あまりドラマを見ない自分にはピンと来ない。ただ、たとえば同じSMAPから、と想定の範囲をむっちゃ狭めてみても、香取慎吾稲垣吾郎の方がマシではないかと思うのだ。中居君と草なぎだとしたら、木村拓哉の方がマシだけれど。
 それはともかく、肖像画が喋った。というのが今後に含みをもたせるあたりだろう。やはり電脳化された爺さんはあの館に住み着いており、鈴木京香や将軍、肖像画を通して一家を支配しているのだ。最後は鉄平の体を乗っ取って再び鉄鋼での世界支配を試みようとするが、その野望に気づいた鉄平は……。最終回「高炉に消ゆ」。
 「私の物はすべてお前に譲ろう」、ということで、北大路欣也大先生のまぐわいのシーンも銀平さんに移譲。しかし、あのやりっぷりと、事後のタバコはやっぱりどっか鬼の副長っぽかったぜ山本耕史。そして、一人悩む姿は室井さんにしか見えなかったよ柳葉敏郎
 まあ、そんなところで今回も楽しめた。かなり目が離せないドラマだ。今、テレビ番組で欠かさず見たいと思えるのは、これとテレビ東京WBSくらいだ。WBSは見逃しても毎日のようにやってるからいいが、こっちはそうはいかないので、きちんとアラームまでセットしているのだ。なんか文句ばっかり書いているが、あんまり現代的色恋もののドラマなど好まない俺には、この番組よろしくて、実際のところそんな感じなので。