朝から眠そうな猫を見る。
本来まだ寝てる時間やで pic.twitter.com/gL9FcGmv9i
— 黄金頭 (@goldhead) 2023年3月12日
本来まだ寝てる時間なのやで。とはいえ、待ち合わせは12時の電車。
肉が厚い。 pic.twitter.com/jDZ5sqZAsp
— 黄金頭 (@goldhead) 2023年3月12日
肉が厚い昼ご飯を食べた。
はい、目的地のお花見。
うそをついては。
いけません。
エゴン・シーレ展きたこれ。
エゴン・シーレとおれ。おれとエゴン・シーレ。中退した大学で美学・美術史学専攻だったおれ。美術史学の最初の課題がエゴン・シーレについてのなにかだった。なにかだかもうとっくに忘れたが、ともかくエゴン・シーレといえばその頃を思い出す。そのとき、ちょうどエゴン・シーレ展やってて、ひとりで観に行ったような気もする。
さて、今回だ。女の人いわく「エゴン・シーレって早く亡くなったから、あんまり作品多くないんじゃないの。すぐに見て回れるかも」とのこと。だから午後から。
実際のところ、どうだったのか。『新世紀ウィーンとエゴン・シーレ』という感じで、同時代、同グループの画家の作品が多く、見ごたえあったというところ。とはいえ、クリムトはさすがに知っていても、おれ程度ではコロマン・モーザーやカール・モル、リヒャルト・ゲルストルといわれも、「はじめまして」だった。
しかし、作品リストを見返すと、印象以上にエゴン・シーレが多かった。当たり前か。
シーレの作品でよかったのは、まず若き日に後見人のおじを描いた《レオポルド・ツィハチェックの肖像》。後の画風とは異なるが、迫力ある肖像である。こんな絵を描かれては、おじさんも美術の世界へ進むことを許さざるをえないだろう。いや、絵の時期と美術アカデミー入りのどちらが先かわからないけれど。
後の画風、というか、思い出される自画像みたいなのとは違うな、というあたりでは《菊》と《装飾的な背景の前に置かれた様式的な花》の二作品が気になった。《菊》は日本文化の影響もあるというが、なにやら不穏な感じもあって悪くない。アロハシャツの柄にしたい(おれが絵を讃えるときの常套句)。
ほかには、風景画がよかった。これも知らなかった。
このゾーンだけ撮影可だったが。
おれはとくにこの《クルマウのクロイツベルク山麓の家々》が好みだった。タイトル違ったらごめん。とにかく、なんかいいじゃないか。いい感じがする。とてもよい。よさの塊である。
ほか、徴兵されたときの《荷造り部屋》もよかったな。
さて、エゴン・シーレ風となると、たとえば《母と二人の子供 II》などはやばい。やばい感じが出ていて、嘆きのピエタである。《母と子》の子供の眼力もやばかった。あと、《カール・グリュンバルトの肖像》というのもなんかやばい感じがした。パトロンの一人を描いた肖像画なんだけど、なにかしらやばい感じがした。やばいといえば裸婦とかになるのか。となると《横たわる女》はさすがの迫力だった。
自画像となると、やはり今回のポスターとかに使われている《ほおずきの実のある自画像》ということになるか。頭をスパッと切った構図もすごいし、なにより横向きの顔からこっちを見据える目が強い。《叙情詩人》は逆に頭をコキっと折ってむりやりねじ込んでいるし、《自分を見つめる人 II》は背後にスタンドがいる。《闘士》はそのポーズのおもしろさったらない。うん。
して、最後のころの作品となると、《縞模様のドレスを着て座るエーディト・シーレ》がとてもよい。それまでのシーレのギリギリに締めた感じがゆるやかになって、ギリギリのところの裸体画とも違う、女性の魅力というものが描かれている。女の人も「これかわいいね」と言っていた。こんなんあると、やはりまだまだ変化していける画家だったのだろうし、早逝が惜しまれる。いまさらながらだが。
……てな具合に、何年かぶりの展覧会を楽しんだ。楽しんだが、疲れた。
外に出てみると曇り空。それほど暖かくない。もう終わったウエノ・ズー。
大寒桜が満開。
枝垂れ桜も咲いていた。
なにかあやしげなパンダ。
おれがすごくいいと思った風景画がTシャツになっていたので、「やっぱりいいのか、これ。見る目あるな、おれ」と思い、思わず買ってしまう。買ってみると会計で、思ったより高く、なぜかと思えばTシャツではなくロングTだった。まあ、しかたない。いいものはいいのだ。
東京都美術館、次はマティスらしい。二十年ぶりだというが、二十年前も行ったような気もする。行くかもしれない。
帰りの電車で王将戦の結果を知る。いけると考えたであろう藤井聡太王将の迷いのない攻めきりに「さすがやな」と思う。コンビニで弁当を買って、帰宅。WBCはオーストリア戦。大谷翔平がスリーランを打つ。新しい天才たち。
以上。
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