ナベツネ先生大いに吼える

http://www.nikkansports.com/baseball/p-bb-tp0-20070405-180098.html

「あの人たち、バカだね。(大切なのは)まず自分の身を正すことであって、モラルの欠如だな。非常識だ。バカバカしい」

 西武ライオンズ裏金問題大放出。むろん、その大放出もまだまだ氷山の一角やもしれぬが、やはりなかなかやってくれたという印象。少なくとも、「現場のスカウトの一存」などとトカゲの尻尾切りでお茶を濁さなかったのは十分評価できよう。そして、ちょっと攻撃的についてきた「他球団でも同じようなことをやっているのでは」。
 たしかにこれはあさましいといえばあさましい。交通違反検挙者が「みんなやってるじゃん」と言うのに似ていなくもない。だが、他の違反者がそれを見て「あさましい」というのは輪を掛けてあさましい。そのあさましさを世に知らしめる意味で、ナベツネ大先生に代わる逸材は向こう百年出てこないだろう。
 というわけで、俺は「他球団でも同じ」宣言はおおいにけっこうだと思うのである。それをして「おまえが言うな」と西武に向けてはいけない(正確には西武とは別個の調査委員会だが)。ここで残りの十一球団がとるべきは、西武と同じことをするべきだというだけだ。裏金は無駄だ、ただでさえ赤字体質のプロ野球が、そんなろくな計画性もないものに金を捨てるな。苦しみじゃあないよ、みんなで楽になりなよ、と。
 「大規模に根掘り葉掘りしては、日本プロ野球が崩壊する」なんて脅しもあるようだ(元オリックス代表、テレビで記事が読み上げられるのを見たが、ネット上で記事確認できず)。だが、そんなことはないだろう。はっきりいって、今さら誰も驚かない。氷山の一角と思うファンがほとんどといっていいだろう。本音と建て前があるのが日本社会の常といえども、ここまできたらひっくり返してリセットしてしまえばいいだろう。日本人はまた、潔さも好むはずだ。腹を割ってぶちまけてしまえ。もっとも、ファンとしてもいつまでも過去にネチネチとこだわらんという割り切りも必要だ。問題はむしろ、ぶちまけた後の監視だと思わなければいけない。
 さて、最後に気になるのは現役選手たちだ。古田選手会長が何を言おうが、これにも「お前が言うな」の矢が飛ぶ。古田個人がどうであったかではない。選手が構成する選手会選手会長という立場だからだ。現役選手も、たとえ当時周りの大人たちの言いなりだったり、やむにやまれぬ生活の事情があったりしたとしても、やはり当事者。きっぱり告白して頭下げるべきである。そして、頭下げたら許してやろう。それでいいじゃないか、俺の下卑た好奇心だって満たされるんだしな!