さて、帰るか

 月末になると三時とか四時に帰宅して朝の九時には定時出勤するような感じだったけど、ちょっとさすがに無理なんで、朝遅めにすることにした。体が持たない。それで、一時間くらいよけいに寝るんだけど、これがまあ、これでなんというか、かなり体力回復すんのよね。不思議よね。フレックスよね。それで、なんか一時間ちがうとアパートがやけに静寂だし(隣人についてはまた)、街の様子が違うのよね。なんか空気が。それで、そうか、俺が位置的に知ってるような気がする通りも路地も、俺が知ってるのは時間帯のうちのごく限られた部分でしかねえんだなとか。じゃあ例えば、俺が二十年近く暮らした実家の周辺についても、そうなんだろうか、とか。いや、それはねえな。一年か、二年か(時間の感覚とか無くなります)ひきこもってふらふらしてたから、昼も明け方も全部知ってたんだな、知ったつもりだな。さあ、深夜三時半の寿町を泳いで帰るか。こないだの殺人事件、裁判所の横というよりラブホに近かった。ミラージュ、無人システム、スチームサウナ、飲料用の水道。ショートタイムで、先っぽだけでいいから。