チャイナフリー・アルベマス

中国製冷凍ギョーザの農薬混入発覚から一夜明けた31日、自主回収の対象となった商品を販売していた企業や生協、スーパーなどは、引き続き消費者への説明などに追われた。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080131/crm0801311204023-n1.htm

 ネット上のこの話題を方々で追ってみると、「食への不安」、「反中感情」にくわえて、「嫌煙感情」まで誘爆している(JTだから)ようなところも見られて、まことにたいへんなことになっている。
 こういうときは冷静になって、今回の件が恒常的に行われている農薬散布によるものなのか、突発的な事故事件なのか、あるいは、他国からの輸入品と比較して、本当に中国が危険なのかどうか検証すべきではないのだろうか。ひとつのリスクがあって、それがリスクだという理由だけでいくらでも高く見積もるというのは、結果的に他のリスクの増大という形によって現れてくる。国産安全神話にあぐらをかいてきた国内食品企業は大丈夫なのか。そもそも、これだけ中国からの輸入食品に頼らざるを得ない現状で、パニック、ヒステリー状態で中国製品バッシングをして、結果的にプラスなのかどうか。昨年の対中貿易は対米を抜いた。その現状下で、他ならぬ日本人経営者、労働者のこうむる風評被害を心配するべきではないのか。
 ……とかいう考えはつまらない。くそったれだ。俺は、もう、徹底的にやってほしいと思う。不二家白い恋人ミートホープにやったみたいな大なたを、中国輸入食品全般に食らわせてみろって思う。理由は安全のため? ノー、そっちの方が面白そうだから。混乱が見たい、パニックが見たい。それだ。たまにはボカーンとなるのが見たい。グワガラガッキーンってなるのが見たい。
 ……って、ならないのは知っているけれど。まあ、あんまりならないだろう。スーパーから中国製加工食品の類が消えることはあるかもしれない(去年の夏、俺のいきつけのスーパーからは中国産うなぎが消えたぜ。売れなくなったんだろう)。それはそれで馬鹿にならない規模。でも、外食産業なんかは、チャイナフリーではやっていけないところも多いだろう。大規模になればなるほど。安価な外食、弁当。だから、見えないところは、あんまり変わらないんじゃないのかな。そしてそれを、何の問題もないのに、マスコミが責めることも不可能だろう。
 それでも、俺はやっぱり、中国産食糧排斥という願望がある……。俺が、自分自身について、できるだけ中国産忌避の指針を立ててきたのとは別に、何をえらそうに、社会について、国について、そう思う。
 飽食、廃棄食料、そこのところがひっかかるのだ。マータイさんに「MOTTAINAI」精神を賞賛されても、俺はほめ殺しに聞こえる。もちろん、俺はこの、どこでもコンビニの棚に食い物があり、二十四時間ジャンクフード食える利便性を頭っから否定したりはできない。その中に浸かって生きている。でも、無駄が多すぎないか。こんなに必要なのか……、と思うことしばしば。もちろん、この俺の狹い活動領域、地方やなにかは別かも知れないが。過多、過剰、無駄。メタボリック。食べ物がたりねーってはるか彼方から大量に食い物買ってきて、それでどんだけ棄ててるんだよって。
 まあ、これはもう、経済も何も考慮に入れてない、感傷的な意見だろう。この世に経済ほど大切なものはない。理から見たら野人のうめき。しかも、その野人はミニストップ行ってピンとこないと、セブンイレブン行って、それで駄目ならすき家を覗いて、混んでいたらなか卯で食事ときている。それが当たり前だと思っている。
 そこで、増長する人類に天罰、いや、罰の意図など見てとらない方がいい、天災とでも思え。雨降って地固まる。これを機会にちょっとなんか変われ。自らの贅沢を戒めることは難しいが、贅沢できないとなれば、それに従うしかない。手に入れた快楽を自ら律して手放すのは困難だが、奪われてしまえばどうしようもない。生活のレベルを落とせる機会。縮小、停滞かまわないじゃないか。どうせ人口も減り続ける。身の丈に合わないものは不幸になるだけ。見苦しいのは避けよう、美しく消えていこう。
 ……そうだ、俺は、なぜか、感傷的な日本の店じまいに、どうしても引き寄せられてしまう。これあれか、いつごろか目にした、サイレントテロリストなんだろうか、俺は。
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 ……サイレントとか気取っている場合だろうか。忙しいから順調かと思っていたら、そうでもない。遅配。やばいのだろう。というか、やばかったのだ、ずっと。どうしようもないのだった。見て見ぬふりをしていたのだな。調子に乗ってたら、落ちる、確実な話だ。こないだ月曜日もあったばかりだが、それに比べようもないくらいまずいな。ホームレスになるのは、せめて冬が終わってからにしてほしい。