サンアディユ号の死亡について

サンアディユ号(牝6歳 栗東・音無 秀孝厩舎)は、栗東トレーニング・センターにて、3月9日(日)に疾病を発症し、死亡しましたのでお知らせいたします。

http://www.jra.go.jp/news/200803/030902.html

 オーシャンステークスサンアディユから馬単を数点流していた。結果だけ見たら最下位、何かあるのだろうとは思っていた。思っていたけれど、まあいずれわかるだろうと放っておいてさっきこのニュース。驚く。いったい何? 調べてみて、もう一つ別の問題が起こっていたことを知る。

JRAが大失態!出走態勢整わないまま発走…異例の謝罪会見

http://sankei.jp.msn.com/sports/race/080309/rac0803091343000-n1.htm

 なんとまあ、サンアディユは潜り込みをしようとしていたのか。映像を見てみると、たしかにゲート入りからかなり時間が経ってのスタート。意思疎通できてないのか、一人ゲート前に出て、あわてて引き戻される人もいる。騎手のうち数人、サンアディユ鞍上内田博幸も含めて、いったん後ろ扉開けを想定してしまったのか……。
 と、いきなりこの二要素に当たってしまって、何がなんだかよくわからない。ゲート内のアクシデントで予後不良というとスリーコースを即座に思い出すが、今回とは別だろう。ゲート内でのできこごとと、急死、何か因果関係があるのかどうか。これといった筋道は思いつかないが、さりとて偶然と片づけられるほどには、自分の中で整理がつかない。今の時代、競馬関係者の生の声、見解もネットを通して見られる。何が起きたのか、何がありうるのか、しばらく追いたい。そして最後にサンアディユ、合掌。
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JRAでは「そのこととは関係ないのでは…」と因果関係を否定していた。

http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20080309-333407.html

 まあ、やっぱり目に見える道筋はないのかな、と。でも、あのレース発走前に馬体検査が必要でなかったかどうかは、サンアディユの死とは切り離して再検証する義務があるはず。返還したくなさに……と、勘ぐる競馬ファンは少なくないぜ。

 って、先日シンコウシングラー事件について書いたばかりだった。これが「サンアディユ事件」と呼べるかどうかはわからんが、論ずべきなにかがあるような気はするのだ。でも、「サンアディユが死んだのは○○のせい」的な犯人捜しは違う気がする。それを論じていく先には、競馬自体が馬殺しの上に成り立っているという事実にぶつかるし、それを踏まえた上での改善策ならともかく、一時の感情論の犯人さがしは競馬の首を絞めることになるような気がしてならない。もちろん、「名の知れぬ馬がいくらでも死んでいるのに、サンアディユだけ悲しむのは偽善だ」などと言うつもりはない。むしろ、その逆である。よく言い表せるかどうかわからないので、うまくひっくり返してもらいたい。