『虚無回廊III』小松左京

虚無回廊〈3〉 (ハルキ文庫)

虚無回廊〈3〉 (ハルキ文庫)

 虚無が来て虚無にいたる虚無回廊。2巻で未完のことを知らずに読み終えて唖然とした俺、ようやく手に入れた3巻、万感の思いを込めて読み進めれば、まだ未完かよ!
 と、このあたり、SFを人並みより少し多いくらいには読んでいるかもしれないが(本屋のSFゾーンの割合から推測)、古本ばかり買っていて、同時進行的に何も知らないあたりの弱みが出た。いや、強みかも。いやいや、やっぱり弱みか……。ともかく、最初に目次見たら、作者対談とか解説とか書いてあるから、俺はもう、堂々の完結と思って読み始めたんよ。で、アホだから、「あれ、まさか?」と思い始めたのも、かなり終わりの方。いやはや。
 それで、話の方は、だんだんとそのSSの中身がわかってくるのか、こないのか、まあ、いろいろと。それで、やっぱり、『宇宙のランデヴー』とか、まあそういったハードSFの宿命なのかどうか知らんが、話が長くなるにつれ、技術やアイディア、ハードさがしぼんでいきて、ストーリーに支配される問題、これが出てくるかどうかというと、そんなには感じない。ただ、どかーんと出てきたスケール、広げた風呂敷、それをばしーっと畳むというところまで行ってないから、なんというか、間延びしたハード。こうなると、こっちもいい加減なものだから、AE(Artificial Existence)の人格の芽生えとか、性とか、そのあたり描いてもいいんじゃねえのとか、思ったり。あと、まあ、いろいろのね、そりゃあね、えーと、まあ、そういうのが出てきて、まあなんか、地球のね、それと似ているかもしれないけれども、まあ、そのあたりは、なんか宇宙の同根かもしらず、でも、そこんところまではぜんぜんいたっておらず、あー、続き読ませろバカ。いや、バカは言い過ぎた、ごめん、でもね。
 というわけで、亀のイメージの終わり方はきれいだったけど、これで終わりってのはねえだろ、そういうわけで、どうにかしてください、誰か、ねえ。

追記______________________
 どうでもよいが、この本、なかなか読み進められなかったのを、今朝早く起きてマクドナルド行って、コーヒー飲みながら読み終えた。どうも、俺の部屋は読書に向いていないのかもしれない。この記事のように読書に適した場所を探す必要があるかもしれない。

関連______________________
SF魂 (新潮新書) 小松左京自伝―実存を求めて