歩こう、歩こう
選択肢が三つか四つあって、いろいろ迷った挙げ句、最後の最後に「折りたたみ自転車でポタリング」を「散歩」がクビだけ差してゴール、ゴールしてスタートして、歩き始めた。もう、午後の一時を過ぎていた。ナビにはあらわれないこと
もちろんiPhoneを携帯、意味もないのに経路探索などさせる。いや、意味はある。地元とはいえ新参者の俺は、まだ十全な土地鑑がない。して、指示通り進んで行くと、日本人立ち入り禁止、というと正確ではないか、軍関係者立ち入り禁止地区などを突っ切るような道があらわれたりする。天気は晴れ。根岸競馬場のあたりの山から急階段を降りて川沿い、16号沿いへ。このあたり、たぶん繋がってはいるだろうと思ってはいたが、ナビに助けられたことははっきり言わなければならない。俺が確実にあのあたりに行こうとしたら、本牧通り〜間門〜という遠回りがまず思い浮かぶからだ。
あと、写真は全部iPhoneで、ToyCameraというアプリを使っている。今、なんかはまってるところ。だいたい、この手の加工については「Photoshopでやればいいや」というところがあって、でも、なんかそれも面倒だし、どうも、変な話だが、加工するのはナシ、みたいな気もあって。でも、このアプリで撮るというところには、なんというのだろうか、その瞬間の出たとこ勝負みたいなところもあって(どんな効果が出るかはランダムになるよう設定した)、なんとなく意識的には「撮ってこう加工した」というより「こう撮れた」に近い感じがある。飽きるまで使う。
市電保存館のあるところ
今回驚いたのは、市電保存館が16号沿いにあるということだ。何回も自転車で通ったけど、まったく気づかなかった。それでどうも今回わかったのだけれども、16号側には市電保存館のケツが向いているのであって、入口は反対側にあったのだ。でも、もうちょっと欲張ってアピールしてもいいんじゃね? とか。それでまた驚いたのは、この市電保存館が、団地の一階にあるというか、なんというか、横を通っていて本当に入口があるのかといぶかるほどだったのだ。市電保存館をすっかり気に入った
入場料100円。いろいろの古い切符や資料の展示がまずあって、あとはどーんと古い車両が並んでいる。館内は薄暗く、なんというのだろう、とてもいい。とてもよくノスタルジックなというか、寂れているというか、感傷と追憶の空気に充ち満ちている。ここはいい。すごくいい。俺はたいそう気に入った。
もっとも、市電が廃止されたあとに札幌で生まれ、鎌倉で育った俺に、横浜市電の記憶があるはずもない。ただ、しかし、そういうものではないだろう。なんかあるだろう、と。たとえば、俺の中の古いモノレールの車両のこととかが湧き出てくるような、そんな気になるのだ。ちなみに、同じ路面電車として江ノ電を思いうかべるべきと思う人もいるかもしれないが、俺は断固!湘南モノレール派なので。
また、こないだ神奈川新聞で読んだのだけれども、廃止前のカラーフィルムが見つかったとかで、それを放送していた。
8ミリフィルムは、同市鶴見区の元市職員池谷喜和さん(75)が提供した。70年から72年にかけ、市電とトロリーバスを街並みの様子を入れて市内各地で撮影した。廃止を前に華やかな装飾を施した市電など、貴重な映像も写っている。
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001001050001
音声は池谷さんがテープレコーダーで別途録音しており、動画と合わせて約11分のフィルムを7分に編集した。レールの継ぎ目や車内放送の音声も入っている。
この映像もお目当てだったが、想像以上にすばらしかった。40年ほど前とはいえ、カラーで映る街並みは、なんとなく今の、俺の見ている横浜の雰囲気がある。そこを、今の市バスと似たようなカラーリングの市バス、そしてトロリーバスが走っているさまというのは、ほとんどSFの気分だ。たまらない。これのDVDとか売っていたら、多少割高でも買っただろう。
その他、電車模型やOゲージとかの展示もあったが、残念ながら俺は鉄道趣味者ではないのでよくわからなかった。ただ、このあたりを市電が走っていたという、そのあたりは非常に好きなところなので、本を一冊買った。おまけにしおりをくれた。
横浜市電が走った街 今昔 ハマの路面電車定点対比 JTBキャンブックス
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テレビ東京「空から日本を見てみよう〜京浜東北線を空から見てみよう〜」に横浜市電保存館が登場します。ぜひ見てください。
http://www.kyouryokukai.or.jp/news/news/2009/121301/index.html
放送は、2010年1月14日(木)20時から2時間スペシャルです。
歩き終えるまでが散歩です
すっかり市電保存館を満喫した俺。しかし、散歩は終わらない。16号を登って、右に曲がって、ここに向かって。
途中、古本屋に入った。入ると、ラジオが流れていて、シンザン記念の結果などが流れた。くそったれ、俺ははずした。それで、なんとなくそれを引きずったせいか、なんとなくボートピア横浜に入った。入って、東スポと出走表を頼りになんとなく三連単を買ったら(これは競馬者の感覚で、普通に「買う」といえば三連単なのだろう)なんか当たって、6000円くらい払い戻しがあって、寿町のおっさんたちの汗と手垢と血にまみれた1000円札がばりばり出てきた。「あれ、競艇おもしろい!」。
……と、丸亀と蒲郡、どこにあるのかも知らないところの、どこの誰かも知らない船乗りたちに二時間以上賭けて、入ったり出たり出たりでだいたいプラマイゼロになって、それで俺は明日競艇に行くつもりになってしまった。どうもサイクリングから遠ざかっているが、まあいいじゃないか、平日乗る、平日、通勤に使うから。というわけで、それじゃあ、またね。