ついにフィギュアに手を出してしまった件

 フィギュアに手を出してはならないと心に強くきめていたのに、かみさま、誘惑に負けて買ってしまいました。え、かみさま、ぼくの部屋にそれらしきものがいくつかあるじゃないかって? ああ、たしかに似ているかもしれませんが、かみさま、それらはfigmaや、中古で安く買ったプライズ品なんです。みなだいたい二千円以下くらいのもので、ぼくの中ではそれはフィギュアじゃないのです、わかってください。それなのに、新品で六千円以上もするものを買ってしまいました、かみさま、見てください、すばらしい髪の毛の色合いに広がり方、自信満々の表情、ストックに押し上げられた胸、それを包む服の質感、気品溢れるズボン、細部にまで拘ったストライカー……ああ、かみさま、やばいです。これはよくない。よくないくらいにすばらしいのです、かみさま。このままでは、いろいろのフィギュアが引き寄せられてしまうではないですか。たすけてください、すばらしいものにお金を使うのは、余裕のあるひとのすることです。これ以上はどうか、どうか我慢できるようにしてください。ええ、かみさま、その自信がないわけじゃないんです。ぼくが一番だいすきなアニメ『ストライクウィッチーズ』で、一番だいすきなウィッチがハンナ・ユスティーナ・マルセイユさまなのですから、いちばんのいちばんを買ったのだから、もうあとは、中古のプライズ品で我慢しますからかみさま、どうにか見捨てないでください、ああしかし、どうしてこうもすばらしいのか、どの方向から眺めても買って損はしなかったぜ、ぜんぜんって気持ちになれるのか、これがもっとあったら、ぼくはもっと幸せになれるのか……かみさま、いや、違うんです、勘弁してください、かみさま……!

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