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機動世紀8013年。人類の滅亡から既に70世紀以上経過しており、その世界はかつて人類が残した軍事用ロボットが独自の進化を遂げていた。ロボット達はヨーロッパを制圧した「リベリオン連邦」とアジアを拠点にする「シン公国」の二手に別れ、いつ終わるともわからない戦いを繰り広げていた。そんな中、3体の非戦闘用ロボットはかつて人間が持っていたといわれる感情、「笑い」こそが戦いを終わらせ、世界を平和に導くと考え、これについての調査を開始した。
して、このような内容の作品である。前半はロボット3体による「笑い」を調査・実行する脚本パート、中にその回の「笑い」の要素をロボットの戦争映像にぶち込んだ映像パート、最後に中の人によるモノボケパートという構成。
素直な感想をいうと、前半部分があまりおもしろくないのである。ロボットには理解し難い「笑い」の要素(「ボケ」「ツッコミ」「一発ギャグ」「あるある」……)を試してみるわけだが、当然スベる。それ自体がスベリ芸という見方もできるだろうが、やはりそれでも不完全燃焼という印象がある。ナレーションによる助けを借りてもいまいちだ。プレスコによるモノボケはおもしろい(あと、エンディングテーマ)のにな……と。
「笑い」について自己言及的に語ろうとすれば語ろうとするほど、おもしろくなくなるのかな? などと思う。人類が滅んだ後のロボットが、はるか過去に存在した人間の記録から「笑い」の要素を抜き出す……そのシチュエーションは良さそうなのだが。結果的にすべてがボケになるのがワンパターンなのかどうか。むしろまじめになってしまうのかもしれない。世の中には笑いについて語るとき、大いに笑えるものもあるに違いないが、あまり思いつかない。
「笑い」の要素なんてものは、普通の人間の普通の会話のなかに、コミュニケーションに偏在しているものやもしれん。それこそ、言語によるコミュニケーションが生まれてこの方、長いこと長いこと人間はボケ、ツッコミ、ものまね、ときには即興コントのようなやりとりをして……笑ってきたのかもしれない。その馬鹿馬鹿しさなしには、人間など物心覚えるとともに自殺してしまうだろう。馬鹿馬鹿しさなしには、人間生きていかれやしないんだ……。言い過ぎか?