このごろのベースボールの大きな話題といえばこれに尽きるだろう。
ドラフト当時は「青木(姓)」枠だの、辻空選手がいるからあとは「海」で「陸海空」だなどと言われたものだが(芝草宇宙をコーチに迎えれば無敵である)、このような記事を読むと期待は膨らむばかりである。ドラフト7位くらいの右の大砲候補。これはなにかあるかもしれない。なにもないかもしれないが。
それにしてもデイリースポーツは阪神一色と言われるが、やはり関西だけあってカープの記事も少なくない。ただ、少し文句をいいたいのは、見出しの文言の最後に適当に「じゃ」をつけて、「ほら、広島っぽいだろ」とするところである。
例)
マエケン新球!世界の右打者斬りじゃ/野球/デイリースポーツ online
鯉ドラ2横山“魔球”でフル回転じゃ/野球/デイリースポーツ online
まあ、おれは在関東広島二世なので、生粋の広島人が「これでええんじゃ」というのであれば何も言えないが。
いずれにせよ、青木には期待したい。青木が活躍するころまでおれが生きているかどうかはしらないが。あと、ペローンの方の青木が巨人で現役を終えたというのは少し残念である。カープあたりならまだやれたのでは、と感じる人も少なくないかと思う。
……と長々とどうでもいいことを書いたが、ソフトバンクホークスが日本一になったのである。一応日本シリーズすべての試合をラジオなりテレビなりで観戦したが……、なんというかどうしようもないソフトバンクの強さであって、あるいはパ・リーグの強さであって、弱いセ・リーグの三位にも入れなかったチームのファンとしてはため息をつくばかりなのである。だいたい、ソフトバンクは四番でキャプテンを欠いていたのだ。しかし、まったくそんなこと感じさせない。おそろしいおそろしい。むろん、「金満球団め」などと言いたい気持ちがないでもないが、金だけでは作り上げられない強さがある。おそろしいおそろしい。細川が山田哲人の顎を破壊したテクニックはなんなのか。おそろしいおそろしい。
それにしても孫正義というところも感じる。彼が馬主にでもなったら、初年度から日本ダービー馬くらい出してしまえるんじゃなかろうか。ミュゼであそこまで行けたのだから。じゃあ、三木谷浩史が馬主になったら、やはり調教師に口出しするタイプになるのだろうか。まあどうでもいいが。
今年のセリーグに意味があったのかどうかは山田にかかっている。
— 黄金頭 (@goldhead) 2015, 10月 27
まあともかく、このつぶやきのあとの山田の三連発くらいしか見所はなかった。というか、あれがなかったら本当にセ・リーグとはなんだったんだろう、という具合である。今年のセ・リーグはみんな弱かった。交流戦の結果というのもあるが、それ以上になにかしらそんな気がした。一度も首位に立ったことのないチームのファンが言うのだけれども。その中で、気づいてみたらヤクルトという感じだった。気づいてみたらヤクルトが首位打者、本塁打王、盗塁王、打点王を並べ、なかなかにしっかりした中継ぎ抑えを揃えて優勝していた、という感じだった。おまけにトリプルスリーもいる。なにかこう、この字面だけ見れば、「短期決戦なら一発あるのでは?」と思えないでもなかったが、結果的には「一試合勝負」だったら可能性はあったかも、程度のものだった。ソフトバンクはおそろしい。ところでおれのアイフォーン使用料は優勝セールで三ヶ月くらい半額になったりしないものか。しないのか。まあどうでもいい。
というわけで、これからがおれのような野球ファンにとって楽しい時期。ドラフトがあり、戦力外選手に新天地はあるのか? トレードやFAはどうなるのか? 年俸でひどく揉めるやつはいるのか? などなど興味はつきない。球春到来よりも球冬到来の今がおもしろい。球冬? いや、ストーブリーグという言葉があるじゃないか。これはなんだ、和製英語なのだろうか?
オフシーズンに突入したプロ野球……ストーブリーグの語源は? ― スポニチ Sponichi Annex 野球
どうもよくわからないようである。正岡子規が作ったというわけでもないようである。
バッターのことを「ストライカー」としているのがかっこいい。現代ではサッカー用語と被ってしまうが。
ベースボールの特色
競漕 競馬競走のごときはその方法甚だ簡単にして勝敗は遅速 の二に過ぎず。故に傍観者 には興少 し。球戯はその方法複雑にして変化多きをもって傍観者にも面白く感ぜらる。
しかしまあ、子規さん、競馬もなかなか興多し、だぜ。