- 発売日: 2015/08/12
- メディア: Blu-ray
岩井俊二、というとなにかこう、おのれのスタンスを語らねばならない名前のように思えるが、思い込みかもしれない。おれはあまり岩井俊二を知らない。そして、『花とアリス』のシリーズ(?)があることもよくしらない。ただ、アニメの長編映画だからチェックしとくぜ、というふうに思って手にとった。
して、これははっきりいってたいへんこれおれ好き、な作品だった。プレスコ、ロトスコープ、手法のことはよくわからないが、登場人物の動きを観ているだけでわりと楽しい。その上に話が面白い。背景も美しい。本業声優でない蒼井優と鈴木杏の声もいい(やや鈴木杏の声が低く、男の子のように聴こえはしたが、すぐに慣れた)。
それでもって、なんというか、味があるなというところだ。どんな味かというと、ひょっとすると岩井俊二っぽい味、なのかもしれない。行き違いや勘違い、でもなんかわかっちゃう、そんな感じ。若さがあるし、若い世界があるし、それでもなんか俯瞰みたいななにかがあってさ。
つーわけで、悪くねえ、というか、良い。あまり使いたくもない言葉だが(べつに積極的に嫌ってるわけでもないけど)、アニメファン以外にもおすすめ、の一作じゃあねえかと思う。そうだ、これを観たことで岩井俊二のY150のなにかは許された、それほどのものである。Y150のなにかが許されるのはすごいことだぜ。以上。