さて、上坂すみれのニューアルバムである。発売から一週間以上経ってしまったが、もちろん発売日に買ったのだぜ。けど、ここまで感想を書いてこなかったのは、よく聴き込んで……というのもないではないけれど、なんというか、正直、あんまりピンとこなかったな、というところがあるからだ。正直、残念だけれど。
おれが「上坂すみれの音楽いいな」と思ったのはどのアルバムだったか。たぶんこれだろう。
上坂すみれのセカンド・アルバムである。これはいいぞ。正直いって、ファーストとは相当に差がある。その差、5馬身。おれの中ではそのくらいの差がある。
じゃあ、その次はどうだったのか。
上坂すみれはすばらしい。これ以上の説明は必要でないように思える。とはいえ、1stアルバムと2ndアルバムを比べると、後者のほうがだんぜんよかったという感想はある。だったら今作はどうなのか。
いいのである。いいのであるが、1stに比べて2ndはすごかったなーという差は2と3の間でないのである。まあ、そのすごくなり方で飛んでいってしまったら、どこに届くかわからない。というわけで、妥当なラインに着地したというのが感想である。
というわけで、おれは『20世紀の逆襲』好きのようだ。して本作の方向性というと?
声優・上坂すみれが語る 偶発的プロパガンダの一部始終と作家的野望 | 日刊SPA!
——今作は前作の『ノーフューチャーバカンス』(2018年)と違って既発のアニメタイアップ曲があまり収録されていない。新曲中心になったこともあってか、上坂さんの趣味性も全開になりましたね。
上坂:確かに1stアルバムの『革命的ブロードウェイ主義者同盟』(2014年)に近しいテンションを感じる作品になったというか、すごくアジテーション要素の多いアルバムになった気がします。
というわけで、1stにそれほどピンときていなかったおれが、1stに近しいテンション、あるいは方向性の本作にピンとこないというのは、筋が通っている。悪くない。
しかしまあ、なんだろうか。たとえば呂布の歌がある。なんというか、まあ横山光輝的な呂布のイメージ。そのあたりを突くのである。そのあたりというのは、まあ、そのあたりなのだ。決して、すごく深いところ、意味不明なところまではいかない。陳宮の名前を出すくらいのところである。決して、公孫瓚とか邢道栄とか胡車児とか胡赤児とか夏侯楙については歌わない。そこまでは行かない。いや、胡車児の歌ってどうやったらできるんだ。まあいい、ともかく、そこまではいかない。そのバランスよな。ラスプーチンにしたってそうだ。おたく、サブカルのみんななら知ってる名前だ。決してそこでヴェスチェスラフ・プレーヴェとかフェリックス・ジェルジンスキーとか、ゲンリフ・ヤゴーダについて歌ったりはしない。そこんところのバランスというか、そこが物足りなくもあり、かといって行き過ぎて行ったまんまになってもいないというところだろうか。あ、おれが挙げた人名も軽いよ、浅いよと言われても、それはもうそうなんで。
まあ、そのあたりはそのあたりとして、なんというか本作の音楽性というか、音楽性の方向というか、もちろんおれはマニアックなミュージシャンについて明るくないのだが、どうも、そのあたりもしっくりこねえな、というところがあったのである。そのあたり、おれは音楽というものを言葉にすることができないので、なんとも言い難いのだけれど。
でもなあ、付録のDVDよな。メイキング画像よな。詰め襟、男装の上坂すみれのかっこよさよな。男前よな。ああ、やっぱり上坂さんはいいよな。ネオプロパガンダにはひっかからなかったおれだけれど、やっぱりこの……MV収録後にストロングゼロ(ロング缶)を飲み始める姿は、神々しいよな。いや、ほんと。だからなんだ、おまえも買え。以上。
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ファンとしてはこういうのも買うべきだろうか?