不射の射、不焼きの焼きそば

先日、こんな記事を読んだ。

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おれはこのようにメモした。

電子レンジで温めるぶん、水を入れないで作ってた。野菜どけて麺のスペース空けてたけど、上に乗っけて蒸しちゃうのか。

おれは『マルちゃん焼きそば』などを作る場合、必ず麺を電子レンジにかけて柔らかく、ほぐれやすくしておくという習慣があった。習慣というか、この手法もいつかどこかで誰か料理家みたいな人が言ってるのを見たのか、書いているのを読んだものと思うが、あまりにも古いことで思い出せない。ともかく、これは好手なのである。

で、まあ、おれが焼きそばを作るとなると、とりあえず豚肉を適当に炒める、にんにくのかけらを入れたりしているかもしれない。電子レンジで麺を温める。そして、野菜を炒める。おれは野菜が多くなりがちな人間である。「え、これ以上、そばが入るの?」という場合もある。それはおれが野菜350g摂取を自らに課しているわけでもなく、目分量が雑すぎるのである。多い方に雑なのである。あとは、一人暮らしだと、野菜を使い切るには、世のレシピ通りだちょっと厳しいって思わない?

で、大量の肉野菜炒めができて、温まっている麺を投入する。なんのためか? 焼くためだ。というわけで、「ちょっとどいてねー」と野菜をどけてフライパンの中央に円形の広場を作る。そこに、温めておいた麺を入れる。入れて……、袋に書いてある水は入れない。なぜなら、大量の野菜炒めによって、フライパンには水分が出てしまっているから。そして、麺はもうほぐれているから。で、付属の粉ソースをかけて、ジャージャーいわせながら混ぜたり、焼いたりする。出来上がりはといえば、なんというか、水っぽい野菜炒めに麺が混ざっているソース味のなにか、だ。なんか水っぽい。でも、麺は焦げたりしている。

おれはそれを不味いとは思わない。思わないが、格別美味いとも思わない。ただ、いつも、「なんか麺投入あとがスッキリしないな」と思う。「もっと火力が必要なのだろうか」とか思ったりする。

が、そうでない道もあったんだよね、というのが上のリンク先のレシピである。

野菜を炒め終えたら、次に麺を投入します。ここが大事なんですが、麺はフライパンに直接触れないよう野菜の上において下さい。野菜のベッドの上に麺が乗っかるイメージです。

この一文と写真が衝撃であった。そういうのもあるのか!

というわけで、早速やってみた。早速やるのがおれである。人生には後手後手なのに、『マルちゃんのソース焼きそば』を上手に作りたい、なんてことについてはあまり迷いがないのである(当たり前か)。ちなみに、スーパーでシマダヤの焼きそばの方が20円くらい安かったけど、せっかくなので『マルちゃん』にした。

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で、これが、「野菜のベッドの上の麺」だ。悪くなくね? ここに水80ccを入れて、蓋。最初から蒸されているであろう麺をさらに蒸す。うーむ、不思議。焦げつかないように、何度か蓋をあけて確認。ちょっとだけまだ水分がジュージューしてんな、というところで、上記リンク先の通り、水に溶いておいたソースを入れる。おお、これは偏らない! ダマにならない! ソース部分だけ妙に焦げたりしない! ……ただ、なんかちょっとソース残るよね。おれ、野菜多いし。

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ということで、お好みソースで追いソース。これもお好み焼き人であったおれの習慣でもあった。ただ、お好みソースだけで味付けしてしまうと、ちょっと甘ったるいかな、というところはある。追いソースにお好みソース使う。これ正解。

で、ちゃっちゃと混ぜて、皿に乗せて完成。

さて、味は? というと、なんというか今まで雑に作りすぎていたのもあるかもしれんけど、「野菜に火を通しすぎないように」というのとか意識したせいか、野菜炒めが美味しいのよ、ちょっと。水分もちゃんと目で見て飛ばしているし。で、野菜炒めの間から出てくる麺、これがたしかに焦げていないし、なんかつやつやしている。悪くない。なんか、麺は麺で、野菜炒めは野菜炒めで、それぞれうまく焼いて蒸せました、という感じ。むろん、野菜が適量(もっと少ない)であれば、焼きそばとしての一体感が出てくるかもしれない。いずれにせよ、おれはこのやり方、気に入った。

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青のりすごい量に見えますが、部分アップですので……。

しかしまあ、なんつーの、焼きそばの好みなんてのは人それぞれというところもあって、「ソース焼きそばなんてのは、祭りの屋台のやつが一番やで」という話もあれば、「焦げてるところが好き」、「ペヤングがいい」という人もいるだろう。おれも具のほとんどないカップ焼きそば(これこそが不焼きの焼きそばと言われるものだろうが)の麺をズズーっとすするのが好きだったりする。それでもなんだろうね、これについてはね、自分のなかにあった「どうも上手に作れているという感じがしない」というのを払拭してくれたのもあって、やっぱプロはすげえなあと思うのでした。おしまい。

 

東洋水産 ごつ盛り盛り ソース焼そば 269g ×12個

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  • 発売日: 2020/04/13
  • メディア: 食品&飲料