考えることを考えること/Books&Appsさんに寄稿をいたしました

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またまたまたBooks&Appsさんに寄稿させていただきました。内容に関しては、記事にあるとおりで、これ以上の説明というものは……ないかな。日頃から自分が考えてること、そして、できれば実践していきたいこと。

で、上の記事にも出ているようにこの本の影響がある。

goldhead.hatenablog.com

おれはこの本を読んで、初めて「そういう考え方もあるのか!」と思ったわけではない。「漠然と考えていたことに名前がついていたのか!」となったのだ。そして、おれは「判断を保留してなにが悪い」、「即断を迫るものはその問い自体を疑うべきだ」という意見を表明するのに、自分の中で嘘はないな、問題ないなという「判断」をしたのだ。いや、その「判断」が強まったというか。もちろん、人の考えること、思うことの強度のようなものがあって、なにかあるたびに強くなったり弱くなったりするだろう。学びは尽きない。

というわけで、おれはおれの言葉がおれを縛り付けるのはつまらないので、あまり党派性というものを出していない……つもりでいる。政治で右か左かと言われても、おれは大杉栄アナーキズムが好きだよ、どっちだよ、という話になる。一方で、北一輝に惹かれたりもしているので、わけがわからない。

一方で、おれのなかでかなり強固になっていて、しょっちゅう書き込んでいる考え方が「反出生主義」だ。これについては主義者呼ばわりされてもいいだろう。

goldhead.hatenablog.com

これも、漠然と考えていたことに名前がついていて、さらにシオラン(べネターも読んだけど)みたいな強烈な代物に触れて、すっかりおれの中で納得できてしまったのだ。

もちろん、おれの考えが変わる可能性がないわけでもない。いきなり出生主義者(?)に転向するかもしれない。考えは尽きない。

考えは尽きない、というのはいい。だから、できるだけいろいろなことについて考えておくのがいい。バックグラウンドであまりメモリを食わない程度に、それでも動かし続けておくこと。それが、なにかのきっかけで弾けるのがおもしろい。弾けなくてもおもしろい。

そして、なにより金がかからないのがいい。自分の頭一つあればいい。べつに本を読まなくたっていい。シャワーを浴びながら、歩きながら、頭の中のアイコンの一つをダブルクリックして開いてみて、ちょっと眺めてみるといい。あっちから見たり、こっちから見たりして、いくらか頭の中で言葉を紡いでみるといい。他人にかかずらう必要もない。一人でいい。いつはじめてもいいし、いつ中断してもいい。なんていい娯楽だろうか。

もしも自分の頭がもっとよければ、その娯楽が仕事になったかもしれない。なんの仕事だ。哲学者とか、僧侶だろうか。食っていけるのか? それ。インチキ宗教家になったら金持ちになれるだろうが、あまりおもしろいこと以外について考えなくてはならないのだろうから(むろん、それがおもしろい人間もいるわけだが)、本末転倒だ。むしろ、先に金があって(大地主の子に生まれるとか)、そのあと考えるのがいいだろう。だからとっととtoto当たれ。

というわけで、なんかとりとめのない話になったが、考えることは金がかからんよい娯楽だということだ。もちろん、その娯楽を大いに手助けする本とかいうすばらしいものもこの世には存在するので、てくてく歩いて図書館に行ってもいいだろう。そんなことをしているうちに、人生は終わる。そんなものだろう。

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