大岡川の桜並木は、まったくの葉っぱになっていた。
気づいてみればヒラドツツジが満開だし、アメリカザイフリボク(ジューンベリー)の花も散って、果実をつける準備に入っている。
そんななか、おれは横浜市中央図書館へ行った。本を返すためだ。予約が入っているので、貸出延長ができなかった本一冊返すためだ。歩くのは悪くない。
おれは本一冊返して、さて、本一冊借りようかと思った。面倒なので、一階の本からなにかないか。
ふと、穂村弘の本を手にとった。高橋源一郎との対談が載っている本だった。対談も、なんだかな、と思った。
して、その本のプロフィール欄にあった『にょっ記』という本が横にあったので手にとってみた。『にょっ記』という日記らしい。
パラッとめくってみて、こんなことが書いてあった。
4月3日 武蔵丸
武蔵丸の夢をみる。
夢のなかで武蔵丸は悲しそうな顔で訴えていた。
「私より、大きなひとも、いるんです」
「ええ」と頷いたが、それだけでは足りない気がして「わかります」と付け加えた。
武蔵丸は悲しそうに頷いた。
この本は、いい本だなぁと思った。
おれはこの本を借りた。
帰り道で「ゆで太郎」に寄って、肉茄子そばを食べた。そばはシンプルなほうがいいな、と思った。カロリーは高いかもしれないが、かき揚げとか、伝統的なやつ。あるいは、そばと肉茄子の丼のセット。まあ、いい。
帰って、録画していた競馬中継を見たら、東西のメーンレースどちらも外していた。こんな日ばかりである。