横浜市長選挙ますますわかんねえな!

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昨夜、アパートのドアを開けると「投票のご案内」が落ちていた。

「あ、やるんだ」と思った。

どういう意味かは自分でもよくわからないが。

さて、この今回の選挙については過去に二度ほど書いてきた。

goldhead.hatenablog.com

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承前、ということにしておく。

で、前回からちょっと心変わりしたのは、カジノについてだ。おれは「市が儲かるならカジノ賛成派」であったが、このコロナの状況を見ていると、「海外からの客も見込んだ室内で行われるカジノは厳しいんじゃないか」と思い始めた。ちょっと、見通しが立たない。というわけで、反対派とまではいかないけれど、カジノ懐疑派、あるいは、カジノどっちでもいい派くらいになった。ただ、「市が儲ける」という点については、積極的な政策が出てきたら支持する理由にはなる。それは変わらない。

 

で、前回の記事で時間切れになってしまったのだけれど、郷原信郎さん。そのあといろいろ読んでいると、一番まともな立候補者のように思えてきた。

私が横浜市長選にこだわり続ける3つの理由、「民意」「支配」「適格性」 | 郷原信郎が斬る

カジノについてもすぐに廃案というのではなく、住民投票にかけましょうと言っているあたりがいい。世論調査の結果を見れば反対が多いし、反対を掲げて当選したのならば廃案にしてしまっても文句は少ない。それでも、住民投票の手順を踏みましょう、というところがいい。

そればかりではないのだけれど、前回書いたように他の候補者に「うーん」と思うところが多かったので、あまりよく知らない人なのだけれど、負けは承知で郷原さんに入れようかな、とか思ったのだ。

が。

弁護士の郷原信郎氏、出馬取りやめ 「落選運動」に専念へ 横浜市長選 | カナロコ by 神奈川新聞

 任期満了に伴う横浜市長選(8日告示、22日投開票)に立候補を表明していた弁護士の郷原信郎氏(66)が5日、市役所で会見し、出馬を取りやめると発表した。

 別の立候補予定者2人の属性や人格に対する不信感が高まったとし、当選させないための「落選運動」に専念すると説明。「候補者として他の候補を批判するよりも、落選運動は規制がなく合理的で有効」と述べた。

えー。……って、ブログで読んで知っていたけれど。

落選運動」?

「小此木・山中候補落選運動」で “菅支配の完成”と“パワハラ市長”を阻止する! | 郷原信郎が斬る

公職選挙法は、当選を得若しくは得しめる目的で行われる「選挙運動」と並んで、「当選を得しめない目的」で行われる「落選運動」を想定しているが(221条)、この「落選運動」については、時期・方法についての制限は規定されていない。それは、「選挙運動」が、公職に就任することによる利益が想定されるのに対して、「落選運動」は、それを行う個人に何ら利益をもたらすものではないからであろう。そのような自分の利益にならないことに労力・費用をかけようとする人間はほとんどいないのが通常だ。しかし、私は、もともと、自分自身が市長の職に就くことが目的ではなく、長く横浜市コンプライアンスに携わってきた立場から、今回の市長選が、横浜市民や地域社会の要請に反する結果になることを阻止しようと考えて、市長選に自ら関わってきた。私にとって、可能な範囲で、私費を投じ、自分自身の時間を活用して、市長になるべきではない候補の当選阻止をめざす活動を行っていくことは、これまでの活動の延長上にあるものであり、自らの社会的責務だと考えている。

というわけで、小此木八郎、山中竹春両氏への「落選運動」をするという。その理由については同じ記事内に書かれている。

 

小此木八郎。入れる気はない。もしもここで菅義偉首相が推す小此木八郎が落選すると、中央政界というか自民党内で菅降ろしが加速するのではないかという話だ。悪くない。亀谷敬正はよく「競走馬の能力の方向性は一定ではない」と言うが、「人間の能力」、「政治家の能力」とて同じことだろう。菅義偉は日本国の総理大臣には向いていない。そう思うことが……山ほどある。自民党もまたちょっと下野して安倍長期政権以来のあり方を見直し、人材を育成してほしい。もちろん、郷原氏が書いた「菅義偉による横浜市支配」というのも面白くない。というわけで、菅を転ばすためにも小此木八郎には入れない。

 

山中竹春。「ハマのドン」(と称される港湾利権を持った元自民党とズブズブの老人)が推すところなどが嫌だった。

そしてさらに、パワハラ疑惑が持ち上がった。

横浜市長選「野党統一候補」がパワハラメール…学内から告発「この数年で15人以上辞めている」 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

このページ、広告とかで見にくいけれど、2ページ目もあるので。で、2ページ目にメールのプリントアウトの写真がある。が、これをもって証拠だというと「永田メール事件」になってしまうのだが、これについて山中側の反論がこうだった。

在職中の学内行政に関するものであり、関係者のプライバシーの保護、秘密保持の観点から、存否を含めて答える立場にない。なお、山中本人がハラスメント行為をおこなった事実はない

これは、メールは実際にあったと認めるようなものだろう。この大切な時期、捏造メールなのであれば完全に否定するはずだ。

で、たかだかこのメールで、おれはなんかすごく嫌になってしまった。おれの知っている常識的な人間は、こんなメールを書いて人に送らない。べつにおれ自身が常識的な人間とは言わないが。

で、おれはパワハラをするような人間はとても嫌いだ。嫌悪する。自分がそういう目にあったわけではないけれど、どうにも苦手だ。ワタミが国会議員になったときは、この国から出たいと思ったくらいだ。出る金も能力もないから出られないわけだけど。

ほかの伝聞や郷原ブログの情報はちょっと判断しかねるが、このメール一通で「嫌だなぁ」の心は広がるばかりだ。もしもパワハラをするような人がトップにある自治体に住んでいて、幸福になるような気はしない。

自民党も嫌だが、この候補も嫌だ。山中竹春には入れない。

 

で、残った有力候補はとなると、林文子現市長か、ということになってしまう。なってしまう、というのは、繰り返しになるが、多選の問題だ。永久革命論ではないけれど、もう、あまりに長いでしょう、ということだ。権力にいる長さそれ自体が悪になる。

あと、前回触れわすれたけれど、カジノ問題でブチ切れたあたりとかもちょっとパワハラ感はある。

でも、自民も嫌、野党も嫌、そして、それらに勝つ可能性がある候補となると、やはり林市長になってしまうのか……。

と、まだ、松沢成文田中康夫という候補もいた。「維新だから嫌」と思っていたが、今現在の維新との距離感とかあるし。松沢氏については「コミットしない」という記事もあるが。この両者の言い分も調べてみるか。

あ、そうだ、このブログにいきなり松沢さんのバナーが出てビビったけど、べつにおれが選んで配置したわけではないので、念の為。サイドバーにも書いといた。

 

あー、しかし、どうするかな。おれは今までおそらく二十年前くらいの、一家離散のごたごたの時期の一回を除いて、選挙という選挙に投票してきたけれど、今回くらい悩むことはない。今まで、「誰それに投票する」、「誰それに投票した」とか書いてきたけど、今回についてはなにも書かないかもしれない。白票や棄権という可能性も捨てきれない。

あ、「白票や棄権は……」と批難される向きもあるだろうが、おれのなかでは人間の持つ選択肢の一つであると思う。結局のところ、だれに一票を入れるかというのは自分自身の思想、信念、精神、心との一致あってこそだ。もちろん、「本当はこの候補は嫌いだけれど、あっちの候補がもっと嫌いだから仕方なく入れる」ということもある。だが、それも心のなかでの納得があってのことだ。

おれが思うに、人間の持つ自由というものは、国家やその法よりも大きく、それぞれの人間にとって正当のものであるという信念がある。国家や法よりもそれぞれの人間の持つ精神の方が偉大だ。大杉栄じゃないが、おれは精神が好きだ。

……と、話が逸れた。時間切れなのでここで。選挙前、選挙後、この話題の続きを書くかどうかはわからない。