山中竹春横浜新市長就任会見の感想

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おれは今回の横浜市長選についていろいろ書いてきた。そのいろいろについてはいちいちリンクを貼るのが面倒なので、上の記事から飛んでほしい。おそらくすべての候補者についてなんらかの意見が書かれていると思う。

しかし、だれに投票したかは内緒だ。べつにいいだろう。ただ、これだけは明言しておこう。小此木八郎と山中竹春には投票していない。その理由についても書いてきたとおりで、ここでくどくどとは言わない。

とはいえ、横浜市民は山中竹春を選んだ。山中市長の誕生だ。横浜市民以外の反菅政権の人にとっては、野党が勝ってよかったよかったで終わりかもしれないが、これから竹中市政が始まるのだ。一横浜市民としては、やはり一時の勝利で終わるものではないし、今後の市政についてくどくど言う権利もあるだろう。

というわけで、就任記者会見の全文書き起こしをこちらで読んだので、その感想をちょっとメモしておきたい。

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まあ、なんだ、就任記者会見だ。初日だ。山中市長は政治家であったこともなければ、役人であったこともない。事前に仲間の議員などからレクチャーを受けたりしているだろうが、まずはまったくの素人といっていい。これが国政経験者や県知事経験者ならともかく、いきなり就任会見で見事な受け答えをしろというのは無理がある。

さらにいえば、市会では少数派陣営ということになり、その運営やら根回しやらでまだまだ固まっていない部分もあって難しいだろう(自民系には最有力後援者の藤木幸夫の息がかかっていて、完全敵対にはならないのではないかとか邪推したりもするが)。まあ、ちょっと公約以外の案件についてこの段階でしっかり答えるには無理がある。スケジュールを聞かれても、ちょっと無理だろう。

が、無理を承知で、やはりちょっと気になったところがあるのでメモしておく。

IRの誘致撤回、これについてはそれを一つの旗印にしていたのだから、ともかく撤回する。それは伝わった。それはいい。ハーバーリゾートもやる気なのだろう。たとえ藤木グループに儲けが吸い上げられることになろうとも進めるのだろう。

が、それ以外だ。当選翌日には神奈川新聞にすら書かれていたが、公約実現のための財源をどうするのか、ということだ。出産費用ゼロ、子供の医療費ゼロ、完全給食。金がかかる。これから横浜はどうやって食っていくのか。財政をどうするのか。

このあたりが曖昧だった。というか、打算が適当かどうかは別として、カジノ賛成派の二候補以外、そのあたりがどうにも曖昧だった。そうい印象があった。反カジノもよいし、コロナ対策もよい。でも、長期的に見て、横浜をどうするのか。そこがみんな弱かった。

今後ですね、ご指摘の通り、厳しい財政運営が予想されるかと思いますので、当局を中心に、財政運営については、対策を十分検討していく必要があるかと思います。まあ、3千ある事業、3千以上ある事業のうち、事業の見直し等も必要かもしれませんし、また一方で税収を増加させていくことが必要ですので、そういった対策に関しても、検討してまいりたいと思います。はい。

で、選挙中も述べていたこれである。三千の事業というのは横浜市の公共事業を指すのかどうかよくわからなかったが、どうなんだろうか。公共事業を削るということなんだろうか。税収の増加はどうするのか。検討するのか。

花博の件と上瀬谷の跡地利用の件に関しましては、こちらに関しては当局と相談しながら、より良い案を、市民の皆様からも理解が得られる案をですね、速やかに検討を開始するように、すみやかに検討開始してまいります

 

オペラ座劇場に関しましては、この点に関しても関係当局と検討してまいります。手続きに関して、検討してまいりますが、オペラ座劇場の建設の中止に関しましては、私も選挙活動中から、見直しという、中止ということを申し上げておりましたので、その方向で調整してまいりたいと考えております。はい。

このあたりも検討か。花博も上瀬谷も、気になるところだ。オペラ劇場は中止の方だったか。ちょっと勘違いして上の記事にブックマークしてしまったので訂正。

まあ、検討中が多いのは仕方ないが、できるだけ早くいろいろの道筋を示してほしい。とくに財政の面で。金、金、金だ。金が問題だ。

 

あとはなんだろうか、スキャンダル問題とか経歴問題か。正直、そのあたりは事実関係を市長も指摘側も突きつけあって、場合によっては司法が判断すればいいことであって、今の段階でおれの興味はあまりない。ああ、でも疑惑のある副市長の問題はどう判断するのかは気になるな。

 

それと、今後も今回と同じように新聞社以外のジャーナリスト入れて記者会見やってください。

 

いずれにせよ、なんかちょっと、その、少し不安になった。検討中が多く、ガツンとした方向性をぶつこともなかった。まあ、最初に書いたとおり、就任会見でなにもかもスラスラと計画を語られたら、そっちの方が不安か。まあともかく、おれにとっては一番の嫌な要素であった藤木幸夫、藤木グループに操られすぎないようにと願うばかりである。山中さん、ハマのドンはあんたなんだから。いや、市長がドンなのかわからんけど。

 

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 ……ちなみに、上の全文書き起こし記事の畠山理仁さんの『黙殺』を読み始めたところです。

選挙ルポのこちらの記事もよかった。

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