ボイラーに石炭を供給するような気持ちだった

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今日はプリンターの手差しトレイの前で、どんどん減ってゆく年賀ハガキを補充する仕事をしていた。ボイラーに石炭を供給するような気持ちだった。ボイラーに石炭を供給して機関車を走らせたことはないけれど。

というわけで、もう2021年も終わる。2021年でいいんだよな? 年賀状にも何年って書いたらいいかわからなくなる。もう2000年よりあとのことはわからない。平成よりあとのことはわからない。

よくわからないのは、なぜエフフォーリアを一着に、クロノジェネシスを三着に決めたのに、その間にディープボンドを挟めなかったかということだ。パンサラッサとタイトルホルダー、スタミナ勝負になるのは見えていた。前走の凱旋門賞大敗は、最後ほとんど競走放棄のようなもので、疲労は少なかったかもしれない。この三連単に一万円突っ込んでいれば八十万ちかくになっていたので、今年の負けを取り返せたのだ。そのことばかり考えて、おれは年賀ハガキを補充しつづけた。

年賀ハガキは、ギリギリ足りた。年賀状は多めに買うべきだ。世の中では年賀状を送らなくなっているというが、我が社では増えているくらいだ。なぜか。がんがん宣伝していこうという方向性だ。要するに、チラシを送るようなものである。スパムといっていい。でも、やらないよりましだろう。

とはいえ、もう苦しい。おれは来年、ボイラーに石炭を投げ込むことはないかもしれない。だから、Excelの表からWordに宛名を面付けする方法をメモすることもないだろう。去年も、そうだった。一昨年も、そうだった。そのたびに、ネットで検索して、宛名面付けの方法を探す。個々の調節をする方法を探す。ハガキと同じサイズの紙で、プリンターに投入する方法を確かめる。

今日は寒かった。とても寒い。ヒースクリフ、私キャシー。ユニクロヒートテックのタイツの上に、さらにヒートテックのソックスを履くという過剰装備で望んだが、正解だった。

先週の金曜日だったか、職場の足元電気ストーブが急に消えた。一本400ワット、二本で800ワット。だが、一本つかなくなってから久しい。もう一本も消えてしまった。さすがに古いのか? 裏側を見てみると「92年製」と書いてあった。すごい。

もう仕方ないから買っていいですか? いいよ。そうなってヨドバシやAmazonのサイトを見ていて、ふと思った。電気ストーブのコードをたどった。電源タップのライトが消えている。電気、来てねえじゃん。

たどってみると、さっき来た佐川のお兄さんが荷物を持ち込むときに、大元のところに引っかかって外れたのではないか、ということだった。さしなおすと、「92年製」はまた光りだした。400ワットで十分だ。

おれももう歳をとってしまったので、ボイラーに石炭を投げ込む仕事にはつけないだろう。腰がすぐに痛くなりそうだ。

そして世界の蒸気機関車は走るのをやめてしまった。

今では電気で走っているらしい。やがて自動車も。

人間も、自動車も、電気で。

走る。

あるいは、走るのをやめる。

こんな雪の中では。

嵐が丘。