マトリョーシカ売りに来た自称ウクライナの苦学生のことを思い出す

今朝、シャワーを浴びていて、急に思い出したことがある。

「あ、昔、職場に、ウクライナ人の学生がマトリョーシカとか売りにきたことなかったか?」

調べたら、あった。

goldhead.hatenablog.com

 「ワタシ、ウクライナカラキマシタ。日本語ベンキョーシテマス。学費カセグタメ、自分でツクリマシタ」と、ウクライナ人(自称)の物売りが職場に来た。背はゆうに190cmはあろうか、薄いブルーの瞳の白人青年。よく言えば物憂げ、あるいはうつろな感じで、正直けっこうかっこいい。Tシャツにバックパック背負ってて、五円玉で作ったキーホルダーをぶら下げていた。
 小さな箱を開けると、小さなマトリョーショカや民芸品風ボールペンなどが雑然と、というか無茶苦茶に乱れて入っている。固定せずにそのまんま詰め込んできただけ。売り物もどう見ても安い土産物で、とてもじゃないが自作には見えない。それでも好奇心で、「このマトリョーショカいくら?」と聞けば「コレ、一番タカイ、三千円」、「このボールペンは?」、「コレ、笛にナッテル。一番安い、千円」。「ちょっと高いよ」などと言っても、後は、「ワタシウクライナカラ〜」「学費〜」を繰り返すのみ。演技なのかもしれないが、本当に語彙が少ないように思えた。

この記事にあるリンク、ほとんど切れてしまっているが、たぶん同じような体験談を集めたのだと思う。

しかしなんだ、「ウクライナとは縁がなく生きてきたが」と思っていたが、ウクライナ人と話したこともあったんだな」などと。

……って、上の記事にも書いているけど、「自称」ウクライナ人なんだよな。はっきり言って外見だけで判断なんてできん。ただ背の高い白人というだけで、アメリカ人だったかもしれないしフランス人だったかもしれないしドイツ人だったかもしれないしオランダ人だったかもしれないしロシア人だったかもしれない。もちろん、見た目だけで判断はつかない。日本生まれの日本人である可能性もある。

そして、ウクライナについて詳しくもないから、「ウクライナの首都ってどこだっけ?」という問いに「クィーイウ」ではなく「キエフ」と答えたら偽物だ、と判断することもできなかった。いや、日本人にあわせて「きえふ」と言う可能性はあるけど。

しかしなんだろうね、あのときの彼がね、今、ウクライナにいなければいいよな。アメリカかフランスかドイツかオランダか……どこでもいいけど、どこかの国でニュースを見ながら「そういや昔おれ、日本でウクライナ人のふりしてマトリョーシカ売ってたな」とか思ってる。よかった、ウクライナ苦学生はいなかったんだ。そちらのほうが、あのとき何も買わなかった者としてはいくぶん気が楽ではある。