想像以上にブロがハーコー〜映画『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』〜

※ネタバレ御免

 日曜日に『SR3』みてきたんだけど、ジャック&ベティで。そんで、おれ、『SR1』みて、「すげーいいわー」って思ってたじゃん。なのになんかさ、サントラ買いそこねて、買おうと思ったらぜんぜん手に入らねえし、挙げ句『SR2』未見なのよ。でも、なんだせっかく近くの映画館でやってんなら見に行っとけって具合でさ。したら、サントラ売っててさ、1と3の買ったね。上映前に買ったね。
 で、『SR3』なんだけど、ぜんぜん事前情報っつーか、下調べなしで行ったわけ。なんとなくなんかフェスの撮影みたいのしてるとか、そういうことはなんかで見かけたけどさ。でもなんか誰が出てどんな話かぜんぜん知らない。まあ、最終的に野外フェスがクライマックスなんだろうなって予感くらい。
 そんでもって、率直な感想といえば、想像以上にハーコー。そんで、マジでロードサイド、国道沿い。それでマジでMIGHTYが逃亡者。そんで、行き着く先は栃木。いろんなものに追われるハメになる。シリアスに逃げ場ねえ感じ。
 つーわけで、北関東国道沿いといえば、こないだ見た、この2作を思い出すわけなんだけどさ。

 まあなんつーのか、札幌生まれ鎌倉育ち横浜市中区在住のおれにはようわからんが(寿町なんて有閑階級の紳士たちの街だし)、おそらくそうであろうかリアルな日本みてえな、そんな感じの、ラーメンが獣臭い感じが描かれててさ。それに産廃業者っつーか、ヤードだね、ヤード。

 こういう記事に「ヤードものの映画とかねえかな」とか書いてたけど、そこんところもある。そこの社長のガンビーノ小林とか、ソフバンの小久保をすげえ悪くしたみてえでマジ下品で怖くてヤバかった。
 あとはなんつっても、伝説の竹田先輩マジ伝説みてえな、そこんところね。

 
 ……いや、ちょっと待て、整理しよう。MIGHTYがブロをリン君に任せて東京に行って、そんで逃げることになる(けど、マイティのお母さんが一人でブロやってるって台詞出てきたから、李君は地震とか原発事故で国に帰ってしまったのかもしれない)。女と一緒に。で、逃げた先がまあラーメンが獣臭い自動車工場、ヤード。で、そこらを仕切る悪いやつらが「フェスはカネになる」って言い出したりする。
 で、もう一方で、IKKUとTOMの話が進行してて、まあそのフェスに出ようってね。そんで、日光の征夷大将軍と出会ったりしてね。こっちの方は『SR1』の雰囲気あんのよ。金もなんにもねえけど、諦めてねえぞって、わりと明るい。オーディションで白けてた女の子も自然と踊り出すところとか、すげえいい。
 そんでまあ、それが相当に対照的でさ、なんか観ててちょっとなんかどうよ、みたいなところはあった。なんつーのか、どっちもいいのよ、いい故にどっちか色に塗りつぶしたの観たかったとか、そんなふうにも思った。ピザのハーフ&ハーフとか、なか卯でうどんと牛丼の小さいの両方食ったら負けみたいな感じというか。けどなんつーのか、2は知らないけど、1で描ききれてなかったような、なんかもっともっとドス黒い閉塞感も盛り込みたいみてえな、そういうあれなんかな、とかさ。
 でも、結局、最後は合流するわけじゃん。で、もう観てて「MIGHTYがステージに上がんの? 上がんないの?」ってところが、まあおれにとっては最大の焦点みてえなところになってくる。東京でのトラブルんときに、道化になるかもしんねえけど、ラップで勝負しなかったじゃん。じゃあ、最後はステージでやんのか、やらねえのか、そこだ、と。まあ、ぜんぜん的外れかもしれねーけど、おれは観ながらどっちだろって思ってたわけ。
 まあ、結果としては……ああなって、あのラストじゃん。あのラストさ、よくわかんねーけど、あのラストから逆算して全部できてたのか、みてえな。緊迫感、焦燥感、どん詰まりの感じもなにもかも、そうか、みてえな。なんかハーフ&ハーフもあの〆ならいいか、みてえな。あそこまで行ってヒップホップの初期衝動っつーのか、真に出てくるもんがあるっていう、そこんところか、みたいな。
 ってなわけで、わりと満足して、そんでわかりやすいおれはライムスターの「Born To Lose」とか聴きながら家路についたのだった。あと、2も忘れず見ます。おしまい。

関連☆彡

SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者 O.S.T.

SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者 O.S.T.

……どっちも2000円ってのは安いと思うぜ。まあ、去年2月のおれは買えなかったわけだけれども。


映画館メモ☆彡
 今年映画館で見た映画は『恋の罪』『ヒミズ』『国道20号線』『サウダーヂ』『天皇ごっこ 見沢知廉たった一人の革命』『劇場版ストライクウィッチーズ』もう一回『劇場版ストライクウィッチーズ』に続き8本目。次は多分、若松孝二三島由紀夫だろう。