さて、帰るか

「さて、帰るか」というタイトルで、おれはずいぶんと日記を書いてきたように思う。このはてなブログじゃあない、はてなダイアリーの方だ。そもそもおれはなんでブログを2つに割ったのだろうか。はてなブログはじめのころに移転を考えたこともあったし、ブログも作った。作ってみて使い勝手あまりよくなかった。ぜんぜんよくなかった。旧来のものへの愛着というものもあって、おれははてなダイアリーに戻った。戻ってしばらくしてみて、またぞろはてなブログへの興味がわき再度開設してみた。すると、いろいろと使い勝手がよくなっている。はっきり言ってこちらの方がずっと書きやすい。写真を貼り付けるのもなにをするのも楽になっている。だが、やはり旧来のダイアリーへの愛着というようなものもあって、結局2つにした。スシマスターも2つなら許してくれる。ただ、2つにしてみてどう使い分けるかという問題も出てくる。奇数日と偶数日で分けるかなどと考えたが(いま考えた嘘だが)、いわゆる「感想文」に属するものをあちらに任せることにした。そうなると「さて、帰るか」は思考の垂れ流しであってこちらのブログとなる。この泡沫人間にも3人か4人くらいの読者の方がおられるわけだが、このツープラトン体制に文句があるのならばコメント欄に双海真美のメール文体で書き込んでもらいたい。

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そういえばくるりのライブに行った。おおよそ一週間前のことだ。場所は川崎だった。横浜から川崎は近い。ただ、とりわけ川崎に行く用事というのも少なく(すばらしいストライクウィッチーズの映画を観に行くなど)、久々のことだった。ライブはといえば、前半でおれの好きな定番の曲、「ワンダーフォーゲル」、「ワールズエンド・スーパーノヴァ」、「ばらの花」あたりを聴けたのでよかった。物販宣伝のトーク中、同行していた彼女の人がおれになにか言って、ふり向くともういなくなっていて、すぐに後ろから人の驚く声が聞こえた。とっさに一列後ろに行ってみると、彼女の人がへたり込んでいた。おれが抱き起こして「大丈夫ですか?」とか言ってると、親切な人がスタッフを呼びに行ってくれた。いったん立ち上がりかけたが、また倒れてしまい、駆けつけてくれたスタッフの人に運ばれて会場から出ることになった。おれは女が落としたスミノフアイスの瓶を拾って、「すみません、すみません」と言いながら着いていった。元の居場所が後方でよかった。会場外に出てみると、ソファが並んでいて、そこで横にしてもらった。冷たい水も用意してくれた。見れば調子が悪そうな人……女の人が多い……がたくさん並んでいた。彼女の人はすぐに意識を取り戻したが、顔は真っ青というか、真っ白だった。貧血だろうが、あまり貧血になったことなどないという。「私は大丈夫だからもどりなよ」と言われるが、いまさら中に入る余裕などなく、一緒にソファに座って壁越しに残りを聴いた。終わりごろにはだいぶよくなり、物販で権利を得られるハイタッチ(QRL商法!)に参加などしていた。まわりのファンの人、そして手慣れたスタッフの人達には感謝したい。最後の方のトークで独立がどうの、ファンクラブの活動がどうのと言っていたが(外からなのでよく聞こえなかった)、それがnoteとやらでの仕掛けなのだろう。帰り道、川崎駅のホームは酸っぱいにおいがした。

おれはといえば、倒れこむようなことはなく、ここ数日、胃が痛い。精神科だか心療内科だかは胃薬を処方してくれるだろうか。たとえば、タケプロンを。タケプロンというのはしかし、なんというか、珍妙な青色のタヌキのポケットから出てきそうな名前だ。わかっていてつけたのかどうか知りたいところだ。本当に知りたいとは思っていない。食欲がない。胃腸科に行けと言われれば面倒なので市販薬で済まそう。

そなたはまず、鼻に眼鏡、心に秋を抱いていることを、しばしの間忘れるがよい。原稿の中では無頼を気取るくせ、人前に出ればものをも言えぬ、さような日頃の行いを止すがいい。/イサーク・バーベリ『オデッサ物語』

胃の調子が悪くなると腸の調子も超悪くなる。胃腸の調子が悪くなると食欲がなくなる。食欲がなくなるとあらゆる欲……欲というより力が出なくなる。おまけにこの暑さ。おれは秋を心待ちにしている。コクトー・ツインズの似合う季節が来るのを待っている。とはいえ、先の季節はおれを待っていてくれることなんて高望みだ。住む場所も失ったおれは、たとえ自分の体が耐えがたい臭いを放つようになったとしても、凍える冬より夏を心待ちにするのだろうか。考えたくもない。おれは胃の調子が悪い。ずいぶん前から胃カメラというのは鼻から管を入れるという話だ。おれは胃カメラというものをやったことがない。信じられるか? 鼻から管を入れるんだってさ。いまさらだろうが、おれには想像がつかないね。まったく。